中塚一宏の「いっこうで行こう！」:

先月６月１０日のＩＢＡ国際銀行協会での講演の模様をアップロードしました。

金融庁はいい役所だと思いますが、発足の経緯からして検査・監督に力点がおかれていると思います。これからは、企画部門を強化して、「金融自体が成長産業になる」ことを目指してゆくべきです。

そんな想いを込めて講演しました。ご覧下さい。

「黒いネコでも白いネコでも、ネズミを捕る猫は良いネコだ」とは、鄧小平氏の言葉。いかにも現実主義者の発言ですが、政策のねじれは「何でもあり」になりかねない。

戦前のリベラル民政党と保守政友会の政策ねじれは、当時の社会・経済情勢もあってのことではありますが、最終的に、大政翼賛会を生むことになる。

やはり、民主主義においては、対抗勢力が必要。踏ん張りどころ。

前回の投稿に反響が結構あったので続き。やはり、多くの人が今の政治がわかりにくいと思っていることがよくわかる。

政策的なねじれは今に始まった事ではない。古くは戦前の二大政党政治。リベラル色の強かった民政党は、議会中心主義・国際協調路線・金解禁・緊縮財政。浜口雄幸首相は景気悪化による社会不安や軍縮により反発をかい、狙撃されて亡くなります。

その後は政友会の犬養政権。高橋是清蔵相が、リフレ政策すなわち金融緩和・財政出動・金輸出再禁止を行って不況から脱出。政友会は保守色の強い政権。

日本においては、欧米のようなイデオロギー対立、保守だの中道だのリベラルだのは、あまり意味が無いのかな、と思ってしまう。でもそれもまた良しか。政治とは現実の課題を解決してゆくことだから。

参議院選挙がスタート。国政における本格的なネット活用選挙。

本来は、選挙運動は自由であるべきなのに、公職選挙法は行為規制のオンパレード。選挙運動期間も、改正のたびに短くなっていきますが、その短い期間に訴えられることは更に限られます。

さてネット選挙ですが、媒体が多様化したのだから、伝えられることの量も増えるはず。ということは、リアルな活動（政治活動・選挙運動）の重要性が益々増すのではないかな、と思う。

アベノミクスに代表される金融緩和や財政出動は、欧米においては、リベラルな政治勢力が主張する政策。保守派といわれる人たちは、金融緩和や財政出動に否定的。

一方で、日本においては、リベラルといわれる政治勢力が、財政健全化の必要性を訴える。これも欧米においては真逆。

ここら辺りに日本政治のわかりにくさ、野党勢力がパッとしない原因があるように思う。

中塚一宏の「いっこうで行こう！」