中塚一宏の「いっこうで行こう！」

消費税論議スタート

私はかねてより、「消費税の使途は、年金・医療・介護に限る」ということを主張してまいりました。年金については、基礎年金の財源を、今の保険料方式から消費税方式に切り替え、保険料負担を軽減するということ。医療については、現役世代が負担をしている高齢者医療拠出金（保険料に含まれています）相当分を、消費税によりまかなうこと、です。現在の後期高齢者医療制度の見直しにも関連します。

消費税は、高齢化社会に対応するための貴重な財源。将来的には引き上げを検討しなければなりません。しかしそのためには　１）消費税率引き上げと同時に、保険料などの直接負担を軽減する　２）財政の無駄遣いを、一般会計・特別会計合わせて根絶する　ことが必要です。

消費税論議スタート

自民党の税制調査会で、消費税に関する議論がスタートしました。例年より半年近く早いスタートです。

マスコミ各社は、政府の「社会保障国民会議」による財政試算を、ろくすっぽ検証もしないで、垂れ流しのように報道しています。消費税を引き上げることが当然、といったような環境作りがすでにはじまっているのです。

これこそ政府・自民党の思うつぼ。「消費税据え置きは無責任」といった世論を作ろうとしているわけです。一般会計・特別会計を一体とした歳出改革を含めた冷静な議論が必要です。

四川大地震から一週間

被災された皆さんに心よりお見舞い申し上げたいと思います。
死者・行方不明者をあわせると７万人近くになるということで、被害は本当に甚大です。
要請されなければ救援にも行けないわけですが、困った時はお互い様、相身互いです。一人でも多くの人が助かるようにしたいものです。

消えた年金・後期高齢者医療制度

昨日の第６９回タウンミーティングは、年金と後期高齢者医療制度がテーマ。社会保険労務士の廣瀬幸一さんを講師に迎え、専門的見地からお話いただきました。廣瀬さんは国会で参考人としてご活躍され、「消えた年金問題」 でも先頭に立って実態解明をしておられます。 加えて個別の「年金」問題についてもお答えいただきました。

「消えた年金」問題がここまで社会問題となったのは、廣瀬さんの努力に負うところがたいへんに大きいのですが、私が意外だったのは、廣瀬さんいわく「消えた年金の当事者自身が、自分の年金に関心を払わない」と言うことで、お上への異議申し立てをする人があまりいないということです。政治へのあきらめでしょうか？

それにしてもそんな中で、消えた年金問題を追及してこられた廣瀬さんには頭が下がります。ご来場いただいた多数の皆さんにも御礼申し上げます。

政策と政局５

そもそも道路を作らなければならないということで、暫定税率を再議決で引き上げたのに、今度は道路特別財源を一般財源化。はっきりいってメチャクチャです。加えて官房長官は、一般財源になったのだからガソリン税をさらに引き上げる、などとワケの分からんことを言うし、本日は道路族の大親分である自民党選対委員長が、道路特定財源の一般財源化で道路予算が減らないように、消費税増税まで言い出すしまつ。すでに与党内の分捕り合戦は始まっています。
これが政局になる可能性がある。政策論議の裏側には、思惑も含まれています。

政策と政局４

次に消費税。来年度から基礎年金（国民年金相当）の国庫負担率を三分の一から二分の一に引き上げることになっています。ただし引き上げの際には安定財源を見つけることになっていて、ズバリ消費税のことです。というわけで消費税の引き上げが政策課題として浮上。しかしガソリン税再引き上げや後期高齢者医療制度によって負担増となり、諸物価高騰のおりに果たして本当に消費税の引き上げが実現できるのか。行政のムダも無くなっていません。これも政局波乱のタネです。

政策と政局３

まず道路。来年度から揮発油税等を一般財源化することを閣議決定しましたが、それには新法が必要です。加えて本当に「一般」の財源となるのかどうか。一般財源化しても、税収を上回る道路予算を組めば、一般財源化は有名無実。注目のポイントです。
そして暫定税率。以前も触れましたが、道路特定財源だったからこそ暫定税率の上乗せがあったわけで、一般財源となったら暫定税率は自動的に廃止になるはず。この扱いをどうするのか、等々。「政局」のブツには事欠きません。

政策と政局２

通常国会は一月半ばから始り、百五十日間の会期、六月中旬までです。その間に予算を成立させ、関連法案を成立させます。しかし予算編成自体は、その翌月の七月からスタートします。

まず七月末に概算要求基準を財務省が作成し、他の省庁に提示します。翌年度の予算編成のガイドラインのようなものです。それに応じて各省が予算と税制改正の要望を財務省に提出。年末までかけて政府原案を作成します。

さて、来年度の予算編成は難問山積。道路、医療、年金などなど。これらの予算編成の段階が政局の節目になる可能性が大です。

政権末期

揮発油税の暫定税率などを今後１０年間道路整備事業に充てることを定めた道路整備特措法案が衆院本会議で、３分の２以上の賛成多数で再議決、成立しました。同時に道路特定財源を平成２１年度から一般財源化する基本方針を閣議決定。
政府提出の法律案と全く異なることを閣議決定する政府。自民党や公明党の政治家、官僚は「おかしい」と思っていないようですが、おかしいと思っていないなら、かなりおかしい。
例えば、外国人にこのことを胸を張って説明できるでしょうか？そして納得できるでしょうか？ちょっとまともじゃありません。
政権末期です。

政策と政局

政治の動向のことを「政局」といいます。特に「政局にする」といったように使う場合には、局面転換を狙っていることが多いようです。
さてではどのようにして「政局にする」のかですが、なんといっても政策を追求すること、これにつきます。政局にしようとしてジタバタしても政局にはならない。とことんまで政策議論をすること。道路の問題、医療の問題などで原理原則を追求してゆくことで自然と「政局になる」。やはり政策にこそ国民の皆さんの共感が得られるからでしょう。