小泉内閣5年間で、たいへん違和感を感じたのが、政府と与党が対立する局面がたいへんにおおいことでした。
小泉氏は、意図的にそれを演出することによって、自民党の一部分を抵抗勢力に仕立て上げ、自分自身をクローズアップさせることに成功をしたわけですが、議院内閣制においては政府と与党は一体のはずです。
大統領制の場合、行政権限は大統領に属していますから、たとえ与党であっても議会と意見が食い違うことはしばしばあります。アメリカの場合は特にそれが顕著です。
しかし議院内閣制は、与党が行政の責任者・代表者となるわけで、政治家が行政機関の長に大臣として任命されるのは、まさにこの政府与党一体を実現するためです。与党の決定は政府の方針であり、それこそが政党政治の本旨です。だからこそ与党の代表が総理に就任するわけであって、政府のコントロールは与党の党首たる総理によって行われるのが本来の議院内閣制。これによって安定多数のもと、力強く政策が推進できるのです。
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