中塚一宏の「いっこうで行こう！」

「大盤振る舞い」の意味

消費税が導入された時（平成元年）も、３パーセントから５パーセントに税率が引き上げられた時（平成９年）も、所得税などの減税とあわせて実施。減税を先行させた事もありました。

その意味において、「アベノミクス」は、それら減税に変わるものだと言えなくもない。それに今回の消費税増税法案には、景気条項があるので、税率引き上げのためにいろいろな政策手段を総動員する事になる。加えて参議院選挙もある。政治的にも大盤振る舞いの要素が整っている。

つまりすべては消費税上げのための環境整備につながる。大盤振る舞いしても後から取り返せるから。とは言え、日本の財政事情は依然として厳しい。参議院選挙後は財政引き締め政策がメインになるような気がします。

「大盤振る舞い」

とある団体役員の方と懇談。

「これだけ現政権が大盤振る舞いしても大丈夫なら、消費税引き上げなど決めなくても良かったんじゃないの？」とその方。

金融にしても財政出動にしても、たしかに大盤振る舞い。たしかに株価も上がってる。

「でも、（現政権が）大盤振る舞いできるのは、消費税上げが決まってるからですよ」と私。消費税引き上げが決まってなければ、財政健全化への本気度をマーケットから疑われて、金融緩和も財政出動もできなかっただろうと思う。

ただ、前政権の消費税引き上げの目的は、この「大盤振る舞い」をやるためではなかった。アベノミクスの成否とあわせて論点になると思う。

アベノミクス考 その２

日本の金融緩和、アメリカ経済の好調、ヨーロッパの財政・金融問題の一服などを受けて、円安が進行。日本の経常収支悪化も原因の一つかも。

先に発表された企業物価指数（日銀）によれば、企業物価指数が下げ止まったが、その中身を見てみると、

円ベースの輸入物価は前年同月比９・５パーセント上昇

契約通貨ベースの輸入物価は前同月比４・５パーセント下落（４月の速報値）

つまり、輸入物価の上昇,企業物価指数の下げ止まりは、円安におうところが大きいことがよく分かる。賃金上昇や需給関係の改善によるものではない。

価格上昇幅の大きいものは、エネルギー関連、飲食料品、飼料など。これは生活を直撃することになる。一部製造業、特に中小企業や農業なども。

「円安」は諸刃の件。

超世代対談 「アイドルが日本の景気を良くする！？」後編

超世代対談　「アイドルが日本の景気を良くする！？」後編が公開されました。ぜひお目通しください。

http://webdacapo.magazineworld.jp/column/110168/

人はいろいろな職業に就きますが、なぜその職に就いたかと聞かれる事はそんなに無いと思う。

そういう意味で政治家は特殊で、なぜ政治家になったのかを聞かれる機会が多いという事は、聞き手が何かストーリーを求めている証拠。

そんな時に、「なりたかったから」という答えは、聞き手を失望させかねない。でも一番力強い答えは、やはり「なりたかったから」。テレパシーの皆さんも同じ。気負わず衒わず、答えられる事はパワーだと思う。

アベノミクス考 その１

金融緩和は否定しないし、株価が上昇しているのは結構なこと。実際、景況感も好転している。

一方でこの数字をどう見るか。

家計の金融資産に占める株式・出資金の割合　６・８パーセント（日銀資金循環統計２０１２年第４四半期）

東京証券取引所売買代金に占める外国人投資家の割合　約６０パーセント（東証投資部門別売買状況５月第１週）

「暮らしが良くなった」と実感するにはまだまだ。そこにいたるプロセスは長く険しい。というかそこまで行けるかどうか？

超世代対談 「アイドルが日本の景気を良くする！？」

アイドルグループ「テレパシー」の皆さんと対談。ぜひご覧下さい。

http://webdacapo.magazineworld.jp/column/110116/

今週はドル円が１００円こえました。この対談は３月に行ったものですが、この時は９５円。

ウチの子供は中１と小４ですが、対談したテレパシーの皆さんは、世間的には私の子供くらいの世代（全員高校生と中学生）。でも世の中のいろいろな事柄に関心を持っているのはすごいと思いました。アイドルと言っても、かわいいだけじゃやっていかれないんだな、と思います。それと、多くのスタッフが多面的にサポートしてらっしゃったのも印象的。それに比べると政治家は・・・。

 

国会の権威

参議院にて環境委員長の解任動議が可決。初めてのことなんだそうで、意外。

かつて大臣・副大臣時代に、国会開会中に海外出張するのはたいへんなことでした。国会は国権の最高機関、政府として国会に法案等の審議をお願いしているのだから、閣僚は国会にいて当たり前という理屈です。出張前は国会の許可をいただくのはもちろんですが、一番チェックが厳しいのは他ならぬ与党の国会対策委員会。私も国対の指示で、出張の日程を変更して帰国したことがあります。

事程左様に国会というのは権威があるというか、恐ろしいところ。でも「国益のため」に出張を延期したのなら、解任されても平然としてればよいと思うのですが。

こどもの日

こどもの数が３２年連続で減少しているのだとか。もちろん今年は過去最低。

現下日本の最大の課題は少子化問題だと思う。持続可能な社会保障制度の構築はもちろん、デフレ脱却も、財政赤字削減も、少子化社会下では難しい。

手法にはいろいろ意見はあっても、チルドレンファーストという考え方自体は間違っていないと思う。今の日本、世代間別にみると、高齢者に比べて、若い世代は政策面で冷遇されがち。ぜひとも若い人のための政治を。

憲法記念日

国会では憲法改正論議が喧しい。

改正条項だけに焦点があたり、改正内容というと九条ばかりが取り上げられがちだけれど、他にも時代に合わせて見直したほうがよいところはたくさんあります。

緊急事態に関する規定や、環境問題、情報へのアクセス権など。改正が必要なものもあれば基本法的なもので補えばことたりるものもある。

変えなくてもよい、という立場は取るべきではない。かつて改正手続きに関する国民投票法について、初当選時に熱心に議論したことを思い出します。