中塚一宏の「いっこうで行こう！」

大晦日

ユーロは１００割れ。東証の日経平均は２９年ぶりの安値。

今年はリーマンショック以来落ち込んでいた景気も本格的に回復するかと思いきや、東日本大震災やタイの洪水など、人知の及ばぬ出来事によって再び停滞。ヨーロッパの財政・金融情勢も予断を許さないまま年越し。

そして被災地の復興は緒についたばかり。仮設住宅や避難先で新年を迎える人たちに想いを馳せるとき、申し訳ない気持ちで一杯に。

数々の課題を翌年に持ち越すことになりましが、ひとまず今年も終わり。一度リセットして新たな思いで来年も頑張ります。

社会保障と税の一体改革

年末、最大の課題は「社会保障と税の一体改革」。いろいろな想いが交錯する。

一応の結論は見たものの、国民皆保険制度を維持するためにも、社会保険料と税の役割分担の議論は引き続き行うべきだと思う。

また、金融担当としては、来年年明け早々ＥＵの財政・金融事情はますます予断を許さない事態になることも予想される。そうしたことが今回の税制改正の背景にあることも、しっかり説明しなければなりません。

もちろん景気への配慮も必要。加えて、行政刷新・行政改革担当としては、今よりも尚一層の迫力を持って行革に取り組んでいかねばなりません。これらのことが成って初めて国民の皆さんの理解が得られると思う。これからこそが正念場です。

 

年末のデジャヴュ

年の瀬も押し迫ったこの時期に、離党者が出たのは本当に残念。決意を固められた方々は、旧知の間柄の方が多いだけに、余計に残念です。

かつて野党時代にも年末には離党が相次いだものでしたが、今回は与党からの離党者。このことはやはり重く受け止めないとダメだと思う。彼らの閉塞感、やるせない気持ちは痛いほど分かる。

でもいつかきっとまた一緒にやれる日が来るに違いない。その日のために努力をしたい。

 

仕事納め

官庁の仕事としては最終日。しかし最終日だけれど事務説明、打ち合わせは続きます。

年末ということもあって、各金融機関の経営者の皆さんもご挨拶にお越しになり、しばし懇談。「今年はたいへんな年だったですね」というのが決まり文句に。東日本大震災はもちろんですが、欧州の財政・金融危機についても。

ＥＵは政治の意思により結成されたわけですが、先行したのは経済統合。政治統合が行われていないため、意思決定に時間がかかって危機が拡大する結果に。日本も事情は似たり寄ったりで、衆参ねじれによって迅速な意思決定ができないでいます。

「民主主義のコスト」と言ってしまえばそれまでですが、それではすまない事態になりかねません。「よいお年を」と言いながら、年内まだまだ決めなきゃいけないことに思いをはせる「仕事納め」の日。

中小企業金融円滑化法案

懸案となっていた中小企業円滑化法は一年延長することとしました。

自見金融担当大臣は大阪、私は仙台と福岡へ行って懇談会を実施、現場の声もうかがった上での結論です。

現在、金融機関は条件変更に９割以上応じているものの、中小企業の経営改善はまだ道半ば。その意味において金融機関にはコンサルティング機能をさらに発揮いただくとともに、外部機関や関係者の協力も得ながら、検査・監督上の対応も含め、総合的な出口戦略もあわせて講じます。

法案は次の通常国会に提出されます。国会でも法案の趣旨を丁寧に説明して参ります。

２匹目のハムスター、みんとくん

クリスマス三連休が終わって、今年の最終週がスタート。今朝は金融庁庁議から。懸案を今週中にまとめないと。

さて、我が家に２匹目のハムスターがやってきました。ゴールデンハムスターのロングヘアー、オス。名前は「みんと」くん。「ちょこ」ちゃんのお婿さん候補です。

綿にくるまっているロングヘアーのみんとくんは、綿と一体化してしまっていてどこにいるのか分からない。

飼い主は娘。名前をつけたのも娘。メスのハムスターが「ちょこ」ちゃんなので、オスのハムスターは「みんと」くんなんだそうな。なかなかの命名センス。

 

政権と世間のズレ

政府の中に入ると、党のことは分からなくなるもの。自分の所管事項に忙殺されるし、所管事項でなければ党の会議に出席する時間的余裕もない。副大臣を拝命してまもなく丸四ヶ月、それを実感してます。ましてや新聞やテレビを見る時間もなく、週刊誌を読む時間もないとなれば、世間のことさえ分からなくなってしまう。

そんな私にとって、短時間とはいえ選挙区で支持者の皆さんと過ごすひとときは、やはり一番世論に触れ合うチャンス。「一生懸命頑張ってもできないことはあるけど、頑張ってることが伝わらないとダメだね」。

支持者でさえ厳しいご意見を頂くこともあるのだから、一般世論はもっと厳しくて当然。最終的判断は政治家たるもの自分の責任で判断するべきだろうけれど、それまではいろいろな意見を聞いた方がよい。閣僚も党役員も、もっと民の声を聞かないと。

平成２４年度予算案決定

ヨーロッパ財政・金融危機、イラン問題、独立行政法人改革等、慌ただしい日々の中で、来年度政府予算案が決定。

テレビや新聞に報道されていないことでも、現下日本を取り巻く状況は本当に厳しく、自分の所管事項については、目の前の課題への対応に万全を期してゆくつもり。そしてかねてからの持論、マニフェストで約束したことについても、数々の政策の中に反映させる努力を続けているし、いくつか実現したものもある。

しかし政権全体としてどうかというと、この先リカバリーできるのかどうかということも含めて、暗澹たる想いにとらわれることがなきにしもあらず。喫緊の課題である政権基盤の強化も全くと言っていいほど進んでいない。

国家国民のために政権を担うということの重要性、そして国民本意の政策実行のために政権を維持し続けることの難しさ。今一度考えねばならないな、とつくづく思う年の瀬の今日。

 

福岡でＴＰＰ、社会保障と税の一体改革論議

福岡出張は金融関係がメインのテーマでしたが、中小企業団体の皆さんからは幅広いご意見をいただきました。

その中でもＴＰＰや社会保障と税の一体改革について。日本の農産物、特にフルーツがアジアでたいへん高価に取引されている実態をうかがいましたが、これもアジアへのゲートウェイ、福岡ならでは。

加えて社会保険料負担が重いというご意見も頂きました。確かに法人税は利益が出なければ課税されませんが、社会保険料は支払給与に応じて払わなければならないので、赤字法人課税と同じになっています。消費税を引き上げるなら、社会保険料を引き下げるべし、というのが私のかねてよりの持論。社会保険料引き下げは、日本経済の活性化に一番効果があると思う。正規雇用も増えるはずです。

市井で一生懸命努力されている皆さんからうかがう実情は重い。今後も主張を続けたいと思います。

 

金融円滑化法関連で福岡へ出張

水曜日の夜、政府税制調査会から羽田空港、福岡へ。先日の仙台と同様、金融円滑化法について、中小企業団体の皆さん、金融機関の皆さんと懇談のため。

福岡に着いたのは９時近くでしたが、福岡財務支局長をはじめ皆さんと遅い夕食をとりながら一献。

翌日木曜日、中小企業団体の皆さんとの懇談で、福岡はアジアへのゲートウェイ、金融機関はグローバルな視点でコンサルティングを、というご意見が出る。

他方、金融機関の皆さんからは、中小企業のコンサルティングについて、経費削減についてはアドバイスもできるし一定の効果も上がるが、やはり売り上げが伸びないと、というご意見をいただく。

週明け、大臣にも報告して、中小企業金融円滑化法の延長問題について結論を出します。