中塚一宏の「いっこうで行こう！」

温暖化対策税 価格効果と税収の使い道

地球温暖化対策税は、経済産業省案、環境省案とも石油石炭税を中心としています。昨年末のころから考えると、両省案が歩み寄っているのは、たいへんな進歩です。

実際、温暖化対策としてなら、上流課税として石油石炭税を活用するのは、リーズナブル。カーボンパリティという意味でも、合理的だと思います。

もちろん、産業界の負担も考えねばならないし、加えて価格転嫁されることによって、大衆増税になることは、できるだけ避けねばなりません。

温暖化対策税のキモは、課税による価格効果と、税収をどのように活用するかの二本立て。いずれにしても増税にはしたくありません。

地球温暖化対策税

今日は台風接近で冷たい雨。各種イベントも規模を縮小。後援会支部の役員会も延期しました。

私が小委員長を務める地球温暖化対策税も、そろそろ党としての考えを取りまとめなければなりません。今までの党の政策・公約を振り返りながら、しばし沈思黙考。再生可能エネルギーの全量買取制度や排出量取引との役割分担をふまえ、２０２０年に９０年比温室効果ガス２５パーセント削減という、鳩山イニシアティブ達成のため、温暖化対策税はどのようにあるべきか。ご要望やご意見を頂いている各種団体の皆さんのお顔も浮かびます。

まだまだ小委員会でヒヤリングも続けますし、事務所にも戸別にご来訪いただいてご意見を伺いますが、１１月中旬の中間提言に向けて、議論を加速させていきます。

 

税制改正論議

小沢一郎氏と面談。全然別の件で打ち合わせに行ったのだけれど、私の顔を見て開口一番、「税制改正はどうなってる？」と小沢氏。私は民主党税制改正ＰＴの副座長。いろいろわずらわしいことばかりでたいへんだろうに、政策のことも忘れていない。現在、主なテーマになっていることをざっと説明。アドバイスを頂く。民主党の党内議論が大企業向けに傾きすぎているのではないか、との懸念を持っているようでした。

訴訟の方は、現在最高裁に特別抗告中。しかし考えてみれば、これからは政策の相談ももっともちかけなきゃな、と思ったのでした。

円高をチャンスに

もちろん日本銀行にも頑張ってもらわねばなりませんが、経済政策の全ての責任を日本銀行にだけ押し付けるがごときのやりかたは、これまでの政権と何ら変わらない。

また各国通貨の切り下げ競争は、かつての大恐慌時代と同じで、かえって世界経済の縮小を招きかねません。

「強い円」を利用して積極的に海外に投資すること。そしてアジアを日本の内需に取り込むこと。ここに日本経済再興のカギがある。円高こそチャンスと考えるべきです。

円高を活かし内需を活性化させること

財政事情厳しい折から、需要の追加ができずに円安誘導にたよるため金融緩和を行うなら、小泉政権時代の政策と何も変わらない。輸出産業には確かに良い経営環境となるだろうけれども、企業収益は上がっても雇用者所得は上がらないということになって、格差是正はできません。

やはりここはまず、円高のメリットを活かすべき。ひょっとしたらこれが最後の円高になるかも知れません。海外の企業でも資源でもエネルギーでも良いから、今のうちに買っておくことです。財政投融資を活用するのも方法の一つです。

国内においては、将来の成長基盤となりそうな分野に集中的に投資を行い、新分野の雇用に対応できるよう、人材育成を進めること。円高を活かすことを真剣に考えるべきです。

金融緩和と需要追加

金融緩和・低金利政策を実行すれば、株価は上がる。金融緩和によって通貨は安い方向に振れる。これが今までの経験則。ある意味常識といって良いかも知れません。

その教科書通りにならないのが今の日本経済。だから今までのやり方をさらに拡充強化するべきだという人がいても不思議ではない。さらなる金融緩和やネガティブレートという政策を主張する人もいる。他方、今までと同じやり方を拡充するだけで効果はないという人もいる。ただ一つだけ言えることは、需要が足りないということ。

いずれにしても未体験ゾーン。いろいろな主張の中からベストミックスを選ばねばなりません。

ネガティブレート

連日タウンミーティングや後援会支部の役員会で話題になるのは、中国問題と円高問題。特に円高問題は、１ドル８０円台までいきました。

９月中旬には為替介入が行われたと言われており円高は戻しましたがその後じりじりと進行。

後援会役員の中には、金融の専門化、現場のプロもいらっしゃるのですが、その方のご意見は、「ネガティブレート」。つまりお金を借りた際に、利息を払うのではなくて、利息をもらうというもの。お金を預ける場合は、利息がもらえるのではなくて、利息をとられるというもの。現在でも日本銀行は金融緩和政策を行っていますが、それでも円高に歯止めがかからないのだから、トライしてみてはどうか、というご意見でした。

奇策というなかれ。それだけ今の日本経済が異常だということ。あわせて金融政策だけではなく、需要の追加も行わねばなりません。

食料自給率

今日は朝から寒い一日となりましたが、各地でイベントたけなわ。その中で、農業者の方や高齢者福祉施設の施設長さんと懇談。話題は食料自給率に。

日本の食料自給率は、カロリーベースで算定されているものがよく使われますが、果たしてそれが適当か、というご意見。

栄養過多で成人病となる人が増える中、伝統的な日本食に回帰するべきではないかと、農業者の方。カロリーベースでは、野菜は反映されにくい。そのためにも食料自給率は重量ベースとか生産額ベースで考えたり、生産品目ごとにこまかい自給率を出すべきではないか、というもの。

実際、高齢者福祉施設などでも、給食はカロリーが基準になっているとのこと。無理矢理カロリーを基準にあわせるためにバターを使ってみたりして、きてれつなメニューになるのだそうです。

カロリー万能主義から健康志向を踏まえたものに改めること。傾聴に値するご意見でした。

「追い出し５点セット」

 

先日、税制改正ＰＴで各種団体のご要望をお聞きしている際、とある団体から「追い出し５点セット」なるものを聞きました。

１、 高い法人税率

２、 円高

３、 がんじがらめの労働法制

４、 環境問題への対応

５、 ＥＰＡ、ＦＴＡの遅れ

これら５つの要因で産業の空洞化が進んでゆく。企業は拠点を海外に移してゆかねばならなくなる、とのこと。特に製造業は悩みが深いのだそうです。

景気が悪化して税収が落ち込んでいる時には、抜本的税制改革は難しい。でも早急に取り組まねばならない課題もある。優先順位をつけて取り組まねばなりません。

 

 

朋有り遠方より来たる

旧知の経済界の方から電話があり、中国政府からコンタクトがあったとのこと。やはり中国側としても、今の状況は本意ではないらしい。

「日中関係には昔からいろいろあったが、表で激しいやり取りをしていても、裏ではキチンと話し合いをして、修復を図るルートがあった。今はそこが弱い」と伝えて欲しいとのことでした。

おりしも週明けに、中国大使館の公使が来訪するとのこと。私は例の長城計画に平成３年の第三回から事務局として参加していて、その公使とは２０年来の友人。忌憚のない意見交換をしてみようと思います。