中塚一宏の「いっこうで行こう！」

今すぐ行うべき経済政策３

「あるべき日本経済の姿を見据えた上」というのは、以前にも申し述べたとおり、個人消費を柱とした内需主導の自律的経済成長軌道に乗せるということです。そのためには財政による景気対策といっても、公共事業は的外れでしょう。公共事業の積み増しでは、結局旧来の産業構造を温存してしまうことになる。今行うべきは、個人消費を増やすべく、可処分所得を増やすこと。つまり、所得税や住民税、社会保険料といった家計への直接負担を減らすことです。

今すぐ行うべき経済政策２

金利はこれ以上下げられない。外需も期待できない。そうなると日本経済は八方ふさがりのお先真っ暗という状況に陥ってしまいます。なにもしないで手をこまねいていて景気が良くなる可能性は殆どない。いずれにしてもあなた任せ、運任せの経済運営になってしまいます。
さて、そうなると政府としても景気対策に乗り出してゆかねばなりません。その景気対策もあるべき日本経済の姿を見据えた上での、経済構造改革である必要があるのです。

今すぐ行うべき経済政策

日本銀行総裁の人事が焦点になっています。次期日銀総裁に対する私の意見は以前から述べている通りですが、誰が日本銀行総裁になったとしても、とるべき政策は現時点では限られています。
現下の経済情勢を見るに、じゃぶじゃぶの金融緩和、床にへばりついた低金利をやめるわけにはいかなからです。誰がなっても同じというつもりはありませんが、少なくとも当面は、金融政策の面からはできることは殆どないわけです。
ここ数年間、経済政策は、金融政策にその殆どを押っつけてきました。それを改めるべき時にきていると思うのです。

再び新銀行東京

新銀行東京の焦げ付き融資が、累計で２８５億円、２３００社が経営破綻しているとのこと。無担保無保証融資が売り物ですから、ほとんどが回収不能になることでしょう。
担保でもあれば、別ですが、無担保で回収不能ということになれば、全額引き当てねばならないわけで、たいへんなことです。
今なら資本金を取り崩して清算できるでしょう。追加出資は傷口を広げるだけ、都民・国民の負担を増やすだけです。

首相、経団連会長に賃上げを要請２

折しも春闘、ベースアップ１０００円という報道も聞きますが、可処分所得という視点で考えれば不十分です。
昨年、一昨年と定率減税が廃止されて増税になっています。また２００３年の年金法改正で、年金保険料は１３年間連続で毎年０・３５４パーセントずつひき上がることになっています。
つまり給与が上がっても、可処分所得つまり手取りが増えなければ意味が無いわけですが、そこまでのベースアップになるのかどうか。増税・保険料の引き上げという負担増の張本人が、経営者に賃上げを求める。滑稽でさえあります。

首相、経団連会長に賃上げを要請

２００２年を底に続いてきた景気拡大。しかし実感が伴わないのは賃金が上昇しないからで、それどころか賃金総額は減少を続けてきました。
日本経済を外需依存から内需主導へと変えてゆくために、個人消費を伸ばしたいところですが、そのためには所得を増やさなければいけません。ようやく福田総理も分かったかという感じですが、果たして総理の要請に、「はい、そうですか」と経済界がいくかどうか。
福田総理の心意気や良し、ですが、政府は昨年、一昨年と定率減税を廃止して増税したばかりです。ちょっと言っていることとやっていることが矛盾してるんじゃないですかね？

深夜テレビ

自民党の総務会で、地球温暖化対策や原油高対策として、深夜テレビの自粛を求める声が上がったとのこと。
深夜テレビもなにも、ケーブルテレビや衛星放送で２４時間放送が当たり前になっている昨今ですが、たしかに昭和４０年後半のオイルショックの時には、深夜放送が中止になったのを子供心に覚えています。
私はどちらかというと賛成。といっても、そもそもテレビをあまり見ないのですけれど。

新銀行東京

東京都が設立した新銀行東京が経営難に。貸すための銀行をつくりたいという発想は理解できますが、「士族の商法」という言葉がぴったり当てはまるような結末です。
再建計画では、人員整理や店舗の統廃合が盛り込まれていますが、そもそもそんな大きくない銀行が人員整理等してもサービスが低下するだけで、経営再建に役立つとは思えません。追加出資だって単なる追い貸し。この際、関係者にきっちり責任を取らせた上で、破綻処理してしまった方が都民ひいては国民の負担は軽くなるはずです。

日本経済の行方

円高が進行、１０２円台まで上がりました。円高による日本経済の先行きを懸念する声が大きくなっています。
しかし福田総理も述べている通り、円高というよりはドル安です。アメリカ経済が、弱くなっているわけです。
外交安全保障については、よく「対米追従」と指摘されますが、私は外交安全保障よりも経済面での追従の方が問題だとずっと思っていました。日米両国は経済的には一蓮托生といってもよい状況にある。２１世紀に入ってからの自民党政治の最大の問題点だと思います。

予算案の衆議院通過を受けて

予算案が衆議院を通過しました。衆議院の議決が優先しますから、３０日で予算案は自然成立します。
しかしなぜ衆議院が優越しているかというと、民意を衆議院が良く反映するという前提のもとでです。任期は参議院が６年、衆議院が４年、衆議院には解散もある。その意味で衆議院は民意を参議院より反映しているわけだから、衆議院は参議院より優越しているのです。
しかし今の政治状況のもと、衆議院より参議院の方が民意を反映しているのは周知の事実。参議院選挙は錯塩の７月、衆議院は２年半前です。
やはり解散して民意を問うべきです。２年半前の選挙結果のもと、総理大臣も二人も変わっているのですから。そのことだけをとっても異常です。