中塚一宏の「いっこうで行こう！」

暫定税率、期限切れへ

いよいよ本日限りで揮発油税の暫定税率が期限切れをむかえます。
都道府県知事さんや市町村長さんは、暫定税率の維持を訴えておられる方が多いようで、マスコミも「混乱する」だの「歳入欠陥をどうするんだ」だの、まるで政府の広報誌のようです。
市町村長さん達が暫定税率維持を主張されるのは、織り込み済みの予算案を抱えているから。加えて「暫定税率なんていらない」と言った瞬間に、中央からの補助金を減らされてしまうからです。
その意味で、暫定税率の廃止、一般財源化は、本当の地方分権を確立するために必要なのです。戦後税制・財政の抜本改革のスタートなのです。

ヘンな政府

日本の政府、与党はたいへん変わっている。
３月３１日で暫定税率が期限切れになると混乱するというけれど、混乱しないようにするのが政府の役割のはずです。金融国会の時もそうでしたが、「法案が成立しないと金融不安が起こる」といったような、ある意味「脅し」を使うわけですが、どういった状況でも対応できるようにするのが政治家の責任。知恵が無さ過ぎです。
「由らしむべし知らしむべからず」ということで、お上のやることに文句を言う庶民は許されないという発送が根底にあるように思います。ヘンです。

新提案なるもの

一昨日のブログで書いたように、官房長官ははやばやと再議決を表明。加えて福田総理の新提案なるものは、自民党内や内閣の了承を得ていないものであることも徐々に明らかになってまいりました。これでは話にならない。

福田総理は、相も変わらず財務省の言いなりということなのだと思います。財務省は道路特定財源廃止をかねてから主張していましたから。国土交通省から財源を取り上げたいということです。霞が関の内ゲバのようなもんです。

一般財源化しても、一般会計から道路特別会計に繰り入れて道路を造れば、特定財源と同じこと。無駄な道路は出来続けます。だから暫定税率廃止がポイントになるわけです。

分かっちゃいるけど・・・

本日予算案が成立しました。しかし歳入の裏付けの無い予算です。
歳入は法律で確保するしかないわけですが、ねじれ国会なのですから、政府原案がそのまま成立することなど、そもそも想定の範囲外のはずです。
政府与党は口を開けば混乱するというけれど、ねじれ国会なのだから、去年の秋に分かっていたことが現実になっただけのこと。このあたりに福田総理の見通しの甘さというか、リーダーシップのなさが現れているように思います。

再議決へのアリバイ

福田総理が「新提案」と称して、道路特定財源の来年からの一般財源化を表明。しかし結局、そういっておけば後々再議決した時に文句を言われないだろうという程度でしかない、そう感じました。
日本銀行総裁人事の時と同様で、始めからダメだと分かっていることを提案して、言い訳にする。暫定税率の廃止は始めからのむつもりも無いまま、「新提案」となったのは全く同じ構図です。
総理にまとめるつもりがない以上、政局は混乱の度合いを増すでしょう。４月末に再議決をする可能性が高くなったような気がします。

不可解な動機

「誰でもいいから人を殺したかった」。そういう容疑者の気持ちを理解するのは難しい。高度情報化社会といわれながらコミュケーションはどんどん希薄になりつつある。先日とあるＩＴ企業の経営者と話しましたが、日本におけるインターネットの普及は、価値観を多様化させるのではなく、価値観を収束させるように働いているのではないか、とのことでした。
迷った時には原点に帰るしかない。もう一度、基本的な人間のコミュニケーションの原点、家族や地域に立ち返るべきであることだけは間違いありません。

道州制２

中央からの視線で道州の線引きをするのではなく、地域の連合体が道州になってゆくのが望ましい。つまり県を引っ付けて道州をつくるのではなく、市町村の連合体が道州になるのが望ましい、そう思っています。
道州制と都道府県が共存すること等あり得ません。基礎的自治体つまり市町村の広域連合に権限を委譲することで、道州制を実現するべきです。
連邦制・道州制の国は、歴史的に見ても、各々が独立した国家であることが多い。ドイツにしてもアメリカにしてもです。まずは基礎的自治体の整備、その後の道州制だと思うのです。

道州制

政府の道州制ビジョン懇談会が、中間報告を取りまとめました。２０１８年までの道州制完全移行を打ち出しています。
道州制自体はたいへんに結構なことと思います。地方分権の分権の中身は、予算と人事、許認可権限です。中央がすべてを支配している今の構図では地方分権にはなりません。道路特定財源問題も、地方自治体の予算を補助金という形で中央がコントロールしていることにこそ問題があるからです。
あとは、様々な権限の受け皿である道や州をどのようにつくるのかが問題。私は上（中央）からつくるのではなくて、下（地域）から積み上げて道州制にするべきだと思います。

あと８日

年度末まであと８日。平日は６日しかありません。暫定税率の期限切れも目の前です。
日本銀行総裁選びもそうですが、期限切れなんかはるか以前に分かっていたにもかかわらず、何の手だても講じようとしない。
どうしてよいか分からないのかもしれませんが、これでは国政が停滞するのも当然です。
暫定税率の問題にしても「なんとかしよう」という意思が感じられません。週刊誌等が「脳死状態」と福田内閣のことを評していますが、その通りかもしれません。まさに国民不在です。

円高・円安２

円高になれば輸入品の値段が下がる。中学生の頃、輸入品のプラモデルの値段がどんどん下がっていってました。今から２０年ほど前は「円高差益還元セール」というのが行われていたわけです。
円高は消費者にとっては悪いことばかりではありません。円安がよいというのは、生産者を重視した考え方です。円高＝悪、円安＝善という考え方は、生産者重視、消費者軽視以外の何者でもありません。
ここらで日本の政治・行政の考え方を根本的に転換する必要がある。円高を歓迎できるのは、消費者重視の政治・経済体制です。ぜひ日本もそうありたい、消費者・生活者重視に転換するべきなのです。