小選挙区制は、投票判断をより合理的、論理的なものに変えてゆく。政策本位の選挙戦とは、マニフェストをどのように判断するかということであり、論理的、合理的な判断が求められるからだ。ただし、何から何まで論理的に判断されることなどあり得ない。その意味で、党首のもつリーダーシップや個性が、重要な意味を持つようになる。
本稿を書き始めた頃に、自民党の今回の参議院選挙に関する総括文書が発表された。それによると、私が指摘していたとおり、選挙敗退の原因の一つに、危機管理能力の欠如があげられていた。民主党も、かの「メール問題」において危機管理問題では苦い思いをしているので、私にはよく理解できる。
選挙制度が変わることによって、有権者の意識も変わり始め、選挙の持つ意味合いも変わるようになった。そして政党という組織に与える影響もまた大きくなっている。政党の持つ組織的な意味合いが変化する中、そのリーダーに求められる素養も大きくなってきている。
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