集団的自衛権と言うと、たいへん物騒に聞こえるわけですが、それは個別的自衛権だって同じこと。戦争というのは、どの国も「自分は侵略者だ」と言って始めるものではなく、自衛の名の下に始まるからです。米軍のアフガニスタン侵攻だって個別的自衛権の行使。はるか以前ですが、日本の帝国陸軍が行った山東出兵も「在留法人保護」を大義名分とした個別的自衛権の行使でした。
そういう意味では、集団的自衛権があると、他国の戦争に巻き込まれるという考え方もありますが、集団的自衛権の方がその時々の政策判断ができるので、どちらかというと個別的自衛権の方が物騒だという感じもします。いずれにしても、個別的であれ集団的であれ、どのような時に行使をするのかが一番問われるわけで、日本国憲法と国際連合憲章の要請は、個別的であれ集団的であれ、自衛権というのはきわめて抑制的に行使するべきであると解釈するべきでしょう。
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