中塚一宏の「いっこうで行こう！」

国連決議

国連安全保障理事会は、核実験宣言に伴う北朝鮮への制裁決議を全会一致で採択しました。国連憲章第７章に基づくものであり、強制力を伴います。軍事的制裁を除くとは言うものの、海上封鎖や臨検は、戦争行為そのものであって、事態は新たな局面を迎えました。

さて、日本自身が北朝鮮に対する制裁決議に前のめりであった訳ですが、いざ決議ができたら今度は「日本は何をするのか」が問われることになります。

船舶検査にしても、「日本はできません」ではたして済むのか。アメリカは、全会一致の決議であっても、中国やロシアよりは、やはり日本と韓国に主導的役割を果たして欲しいと考えるに違いありません。

ところが日本国政府の憲法解釈では、国連決議があってもそれに参加することはできないし、また根拠となる法律もない。自民・公明両党の怠慢です。

かけ声は勇ましいけれど、汗は流さない。これで果たして日本が信頼を得ることができるのかどうか。与党ばかりではなく、ここは国民の皆さんにも考えてもらわなければいけません。

郵政造反組その４

人を疑うのが好きなわけではありませんが、小沢氏のこの１０年近くの歩みを見ていると、どうしても用心深くならざるを得ません。好んで野党暮らしをしようなどという与党政治家など数えるほどしかいない。だからこそ私は小沢一郎氏を尊敬しているのですが。

平成５年に自民党を離党して新生党をつくり、細川連立政権を発足させ、その後も数多くの新党を立ち上げました。多くの皆さんから多大なご期待を頂いたにもかかわらず、新党運動が成就してこなかったことが残念でなりません。

来年の参議院選挙で野党が与党を上回る議席を得ても、選挙終了後に与党から切り崩されて、せっかくの与野党逆転が台無しになってしまっては、期待を頂いた支持者の皆さんにまた申し訳ないことになるのではないか、そう思うのです。

自民党政治ではダメ、新しい政治を実行したいという人たちと、しっかりと手を握ることが必要だと心から感じます。

郵政造反組その３

私はこの１０年以上の間、小沢一郎氏の近くで政治を見てきましたので、与党自民党の持つ権力つまり票とカネに転ぶ政治家を数多く見てきました。与党暮らしの長い政治家は、与党でないとカネと票を集めるのに苦労をするらしく、簡単に与党に戻ってしまいます。

小沢一郎氏の回りから人が離れてゆくと言われているけれども、実際は皆自分の都合で野党暮らしができず、与党に行った人ばかり。小沢氏のもとから去って自民党へ行った人は皆大臣になったり議長になったりしていることからもお分かりいただけると思います。

だから郵政造反組が、野党の立場に立って、政権交代に向かって進んでゆくのかどうかという点では、実際懐疑的なのです。新党を立ち上げている人ならまだしも、昨年の選挙から１年以上たつのに未だに無所属の議員については、なおさらのことです。

郵政造反組その２

政治家たるもの自らの政治信条と政策にもとづいて決断をした訳であり、自らの信念に殉じる覚悟がなければ、政治家をやっていける事などありません。選挙のたびに主義主張を変えるような政治家は信頼を得る事などないだろうと思うからです。

今になって復党の話がでるなど、結局のところ、昨年の解散劇が単なる政局論で政策論がなかった事の何よりの証左。ただの権力闘争であったということです。「昨日の敵は明日の友」という言葉があるけれども、何か新しい政策課題でもあってそれを軸に再結集するというならまだしも、単に来年の参議院選挙目当てに数合わせをしようとするにすぎず、野合です。

いろいろな意味で、自民党政治ではダメだというなら、協力できると考えていましたが、自らの主義主張よりも自民党にいることの方が大切ならやむを得ません。そのことも含めて、選挙の際に国民に皆さんにご判断いただくよりないと思います。

郵政造反組

来年の参議院選挙をにらんで、自民党内では昨年衆議院選挙における造反組を復党させる意向を示す幹部がいるようです。

小泉氏の郵政民営化法案に反対するものは、十把一絡げに「抵抗勢力」にされてしまったわけですが、法案に反対した私にしても、郵政事業がこのままで良いなどと考えていたわけではありません。それがどう考えても現状維持派の自民党内の議員と一緒くたにされてしまったわけですから、内心忸怩たる想いはあるわけですが、いずれにしてもどういう理由があるにせよ、政治家が自ら信念に基づいて下した判断な訳で、簡単に考えを翻すなど想いもよらない事のはずです。

今になって造反組を取り込もうとする自民党も自民党なら、復党に色目を使う造反組も造反組。これでは分かり易い政治にはなりません。

日朝平壌宣言の現実

さて、何度も主張している通り、「日朝平壌宣言」が破棄された事を明確にするべきです。

そもそもミサイルの発射実験の際に、破棄を明確にしておくべきであったはずです。相互の信頼関係なくして、共同宣言などなんの効力も持ちません。

しかるに自民党・公明党の与党は、「日朝平壌宣言を守るよう努力をする」としてきた。結局この曖昧さ、いい加減さが今日の事態を招いたと言っても過言ではありません。

世界の核不拡散体制に真っ向から挑戦する今回の北朝鮮の核実験。拉致問題の解決にも全くメドはついていません。反古紙を大切にしていても始まらない。日朝平壌宣言が、北朝鮮側から破棄された事を明確にするべきです。

核実験

北朝鮮が、とうとう核実験を行いました。北東アジア地域のみならず、世界に対する挑戦であり、容認できるものではありません。

我が国政府は、断固たる毅然たる態度を取るべきです。

そして政府与党は、きちんとこれからの日本の取るべき立場を明らかにするべきです。

経済制裁を行うにせよ、では何時まで経済制裁を行うのか、どういう状況になったら経済制裁を解除するのか等々。

強制力を伴う国連決議が出た場合には、日本としてどのような役割を果たすのか等々。

また近隣諸国との密接な連携が必要にもなります。是非ともイニシアティブを持って事に当たっていただきたいと思います。

日中・日韓首脳会談

久しぶりの近隣諸国との首脳会談。

国が違えば立場が違うのは当たり前。立場が違えば意見が異なるのも当たり前。近隣所得との過去には、いろいろと不幸な問題が未だに横たわっていますが、「小異を残して大同につく」ということで、是非とも未来志向の関係を築いてゆかねばなりません。

そういった意味で、首脳会談自体ができなかったのは、極めて異例でした。二カ国間関係が悪化する時には、どちらか一方が悪いということはあり得ず、お互いに自制のもと行わねばなりません。

安倍総理の歴史認識についても、もっと明確にしていただきたい。その場その場を取り繕うようなやり方では、かえって不信感を高めることにもなりかねないからです。是非とも誠心誠意隣国と話し合っていただきたい、そう思います。

集団的自衛権その７

集団的自衛権を行使することによって、専守防衛の大原則が崩れるようなことになっては話にもなりません。集団的自衛権をどうするこうするといった問題よりも、その自衛権をどのように行使するのか、つまりそれが政策判断であって、専守防衛に徹するべきと考えますが、その方がはるかに重要です。

おりしも北東アジアは緊張関係がたいへんに高まっています。政策論と立法論をごちゃごちゃにすると、とんでもない結果になりかねない。集団的自衛権を根拠に自衛隊の海外派兵は行わないことを明確にすること。そして自衛権は極めて抑制的に行使するようにつまり専守防衛に徹するようにすること。そして、国際的な警察機構を創設して、治安の維持と回復にあたるようにすること。これこそが日本国憲法と国際連合憲章の理念です。そして外交努力を怠らないことがなによりも重要です。

人類の平和共存のため、日本として何ができるのか。それは「集団的自衛権行使」ではないはずです。

「小異を残して大同につく」

昨年の郵政解散以来、小党が乱立する政治状況となりました。各々の党には各々の主義主張がある。そして政局感もバラバラです。

しかしながら、その多くが小泉自民党を除名になったり自ら離党をした人たち。つまり小泉自民党ではダメだ、という人たちです。

小党が乱立する状況は、政治自体を分かり難くするのはもちろん、実際の選挙においても非自民非公明にとって不利です。与党は政権のうまみを知っているがために、しっかりと候補者調整をして選挙に臨みます。これに対抗する勢力が各々の都合を主張して乱立しては、結果として自公政権を利することになるからです。

「小異を残して大同につく」。「大同」は「大道」でもあります。大義のためには大同団結するべきです。