中塚一宏の「いっこうで行こう！」

「５億円なんて簡単に盗めませんから」

なうての警察官ＯＢと懇談。数々の難事件を解決された方で、話はとても面白かった。

で、その方が言われるには「たいへんな時代になりました。サイバー犯罪というのは恐ろしい。五億円なんて簡単に盗めませんからね」。

１万円札は約１グラムなので、５億円は５０キログラム。確かに重い。そもそも５億円の現金がおいてある所なんてそんなにない。金だと１００キログラムくらいになってさらに重い。

ところがサイバー犯罪なら、容易にできる。しかも低コスト（？）。なるほどな。そういう時代に生きていることを実感。

「国債は安全資産か」に思う

ちょっと前ですが、日経新聞に「国債は安全資産か」というタイトルの記事が載りました。

国際金融規制の中で、自国政府の発行する国債を保有する金融機関に自己資本充実を求めるという案が浮上しているとのこと。

さてこうなってくると訳が分からない。国債は安全資産であると同時に、当該国の発行する債券であり、その当該国が銀行に対して免許を発している。国からすれば、審査をして免許を発した金融機関から、今度は査定をされるようなもの。

政治基盤があっての経済か。それとも経済が政治を選別することになるのか。

金融担当副大臣当時、ギリシャ国債がヘアカットされました。たいへんだった当時のことを思いながら、ちょっと考えさせられる話。

日本の強み

中国の投資家と懇談。経済関係・民間レベルではギクシャクすることは一切と言っていいほどない。

日本と中国の資金調達コスト・運用利回りは比べるべくもない。日本は中国とは比べ物にならないぐらい低金利。でも中国のその投資家は、日本での資金運用を考えているとのことでした。

理由は簡単、日本は政情が安定しているから。そして中国では政府関係をはじめ汚職が横行しているからとのこと。

投資というのは、利回りだけではない。インフラとかその他の周辺環境も整っていてこそ、と改めて実感。

「吉田調書」

海外出張中にメールが届いて「吉田調書が新聞に掲載されました」と。一日遅れで熟読。

紙面によれば、発災当初には命令違反もあったとか。

命令違反を批判することは容易い。しかしあの状況下はたいへんだったろうと思う。

結論。やはり原子力発電はやめた方がいい。

「大業」

最近、とても老練な政治家と付き合う機会が増えた。そんな私もこの政治の世界では２５年選手。

「善からは善のみが、悪からは悪のみが生まれると言うのは、人間の行為にとって決して真実ではなく、しばしばその逆が真実であること。（中略）これが見抜けないような人間は、政治のイロハもわきまえない未熟児である」。

これはマックス・ウェーバー「職業としての政治」の一節。この言葉の意味がとてもよく分かるようになった。改めて「世の中を変える」というのは、大業だと思う。人間強くあらねば、と独り言。

景気と政治

「経世済民」という言葉の通り、経済というのは政治の大部分をしめる。国民の皆さんが政治に期待するのも、やはり経済が大部分だろうと思う。

景気が良ければ政権の支持率は高いし、悪ければ低い。それどころか、景気さえ良ければ、多少の失敗やスキャンダルだって問題にならないことは、枚挙に遑がない。

この単純な事実を、時として政治家は知らない。民主党も然り。今の安倍政権もそのように思えるのは、私だけか。

 

法人税引き下げと、社会保険料引き下げ

期待先行の東京株式市場も失速気味。次なる一手として政策課題になっているのが、法人税率下げ。

経済成長と財政健全化と、これも果てしない議論。長年繰り返されてきた進学論争と言ってもいいかも知れません。ただ最近は、どうみられるか、ということも大きなテーマで、経済成長を促進すると見られるのか、財政健全化を放棄したと見られるのか、ここら辺りも考えなければならない所。

さて、法人税率下げは、黒字の会社にはありがたいが、赤字の会社には関係ない話。否定はしませんが、特に中小企業にとってありがたいのは、社会保険料の引き下げではないか。

社会保険料は、支払給与総額に応じて賦課され、当然企業が赤字でも支払わなければなりません。消費税が上がったのだから、保険料を下げるべき。赤字法人減税的な効果がある。

「政権５００日、閣僚交代なし」に思う

先日とある内輪の会合で「安倍政権が女性の社会進出、２０２０年までに指導的地位に占める女性の割合を３０パーセントにする、と言っているのは素晴らしい」という意見が女性からありました。

でもこの目標・ポジティブアクションは平成１５年に内閣府男女共同参画局で決定したもので、実は目新しいものではなく、民主党政権においても推進していた施策。

ただ、思えば担当大臣は頻繁に変わりました。少子化対策についても同じです。私は前政権最後の担当大臣。やはりコロコロ担当が変わると、対外的にも熱心ではないな、という印象を与えてしまう。

安倍政権は、５００日経って閣僚は一人も交代せず。これは戦後最長なのだとか。民主党政権は参院選に負けてねじれに悩んだ訳ですが、やはりじっくり政治に取り組む環境が欲しかったなと痛感。

憲法記念日 集団的自衛権の行使

問題は、イラク戦争、アフガン紛争の際の政府は、政府見解としては集団的自衛権行使にはあたらないとしていたものの、その必要性についてはキチンと説明していたように思う。

一方で、いま解釈変更で集団的自衛権行使を認めようとしているものの、その必要性については明らかではない。ここら辺りが、今の議論の曖昧模糊としたところ。

やはりなぜ集団的自衛権を行使する必要があるのか、ということを、政府はしっかりと説明するべきだと思う。

憲法記念日

日本国憲法が施行されてから６７回目の憲法記念日。今年はやはり集団的自衛権容認に伴う解釈改憲の是非が大きなテーマ。

思えばイラク戦争やアフガニスタン紛争の支援のための法整備議論で、後方支援が集団的自衛権行使にあたるかどうかを議論していたことを思い出します。

兵站は武力行使と一体だから集団的自衛権行使にあたるという議論と、後方支援はあくまで後方支援だから集団的自衛権行使にはあたらないという政府見解と。今解釈改憲を認めるなら、あの時の議論は何だったのかと思う。