中塚一宏の「いっこうで行こう！」

「学者よりも役者」

今週は久しぶりに金言・至言を聞きました。

「学者よりも役者」。誰から聞いたか、どういうシチュエーションだったかはナイショ。ようするに「能力があって結果が出せても、プレゼンテーションが拙ければダメ」ということ。

リーダーたるもの、能力があるのは当然としても、自分の仕事をきちんとプレゼンテーションできなければ、評価されない時代になりました。特に、政治と経済の分野。

「学者であり役者」であれば、百点満点か。精進あるのみ。

歴史に学ぶ

先週、慶應大学で講義をしたときのこと。

私の話はいくつか歴史を引きながらでしたが、私を招聘いただいた教授によると最近入学試験では歴史がないのだそう。

もちろん受験勉強だけがすべてではないので、学生さんも勉強はされているとは思うけれど、やはり歴史には興味を持って欲しい。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」ビスマルク。

「過去を遠くまで振り返ることができれば、未来もそれだけ遠くまで見渡せるだろう」チャーチル。

そして再びチャーチルの言。「私が歴史を書くのだから、歴史は私に好意的だろう」。

平均寿命

とある経営者の方と懇談。

「男の平均寿命のほうが短いのを、おかしいと思わないか？」。そんなこと考えてもみませんでした。

その方曰く「男の平均寿命が女より短いのなら、なぜ同じにしようと努力しないのか」。

なぜ男性のほうが平均寿命が短いのか、私にはわかりませんが、言われてみればその通り。当たり前のことと思ってました。

「不公平じゃないか」と更に、その方。苦笑いするしかない。

「科学技術と社会」

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで講義しました。月曜日の一限目。学生さんは３００人ほど。今の学生さんはまじめだなぁ。

テーマは科学技術と社会「科学技術とリーダーシップ」。私自身、大学は理科系の卒業。近年、科学技術の革新がもたらす社会とくに経済への影響は凄まじいものがある。

一方で、理科系出身のリーダーは少ない。科学技術立国という割には、日本はあまり理科系の人を大事にしない。しかしこれは理科系の人間にも問題があって、自分の専門以外のことにも興味をもって、リーダー足らんとする気概が必要。

そして、文科系の人にも、技術に関心を持って欲しい。これほどまでに社会を変える技術を理解することによって、傑出したリーダーとなれるはずだからです。

選挙制度

衆議院の選挙制度。定数是正に始まり、定数削減、さらには抜本改革の議論まで。中には小選挙区制度をやめて中選挙区に戻すという意見まである。

日本も小選挙区制度で政治家が小粒になったという人もいますが、先日亡くなったサッチャー氏は小選挙区制度により当選した政治家。

政治の質が選挙制度に依存するところもないわけではないと思うけれど、それだけではない。政治というのは、立候補するのも人、選ぶのも人。そしてその選挙に密接に関係するのは、政党。

正しく民意を反映させることは当然。一票の格差は是正されなければなりません。さらには政党の在り方、これも大切なポイントと思う。

「鉄の女」

イギリスのサッチャー元首相が死去。

首相をお辞めになってからだと思いますが、東京に講演で来られて、その際、ナマのお話を伺った事があります。どんな質問にも丁寧に、そして彼女なりに原理原則があるからでしょうが、とてもシンプルに応えておられたのが印象的でした。

同時代の政治家としては、アメリカのレーガン元大統領もいますが、レーガン元大統領の政策が「レーガノミクス」と言われるのに対して、サッチャー氏は「サッチャリズム」。いかに哲学や思想に支えられた政治だったかが分かる。

一時代を画した政治家でした。ご冥福を。

 

「ブラック」と「ホワイト」

先日、金融関係の方と話していたら、今の日本銀行のことを「ブラック日銀」というのだそうな。以前の日本銀行は「ホワイト日銀」。現総裁と前総裁の名前に因んでのことらしい。なるほど。

言葉から受けるイメージは人それぞれでしょうが、新総裁の日本銀行「ブラック日銀」は、より一層の大胆な金融緩和に踏み込みました。これまでの緩和を行うと、やはり気になるのは出口戦略。まだ効果が出もしないうちから、出口戦略の心配は、気が早すぎるかもしれませんが。

中小企業支援

中小企業金融円滑化法が終了。

資金繰り支援というのは、所詮時間を稼ぐことが主にならざるを得ないので、それだけでは企業は再生しにくい。金融機関のコンサルティング能力の強化はもちろんのこと、外部機関の手も借りて、てこ入れが必要です。

新しい機構もスタートしたようです。円安で景況感は改善していますが、中小企業経営者のお話を聞くと、実体経済はまだまだ。一層の取り組みが必要です。