少々古い本(1976年)ですが、今読んでもとても新鮮。というか、35年前に書かれたこの本に、今起こっていることがすべて書かれています。
著者は戦時中、理化学研究所において原爆製造にかかわった方で、戦後の原子力開発についても常にかかわってこられた方。原子力開発の秘密主義や、開発優先で予算ばかりが潤沢につけられてきた経緯も綴られています。
冒頭の「序にかえて」にある許容量概念について述べられている部分は、考えさせられる。「許容量とはそれ以下で無害な量というのではなくて、その個人の健康にとって、それを受けない場合もっと悪いことになるときに、止むをえず受けることを認める量であり、人権にもとづく社会的概念である」。
全編ひじょうに示唆に富んでいます。
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