ベルギー国会を視察。これもまたまた見学かと思いきや、ベルギーの下院議員さんがお出迎え。ここでも見学の時間を大幅に短縮して、ベルギー国会の仕組みや国会議員の待遇などについてヒヤリング。ベルギー下院議会の定数は150人ですが、フランス語圏とオランダ語圏に別れて政党が存在ずるため、11ほどの政党があるそうで、ついこの間総選挙が行われたばかりだそうですが、連立政権をつくるのに秋ぐらいまでかかるとのことでした。
続いて欧州議会議員のイーピング氏と懇談。2009年発効のリスボン条約によって、飛躍的に強い権限を付与された欧州議会。イーピング氏は経済通貨委員会の委員でもあります。
イーピング氏には、ギリシャ支援策が作成されるプロセスで、どんな議論がEU内部で行われたかをヒヤリング。ギリシャ問題については、ユーロゾーンが崩壊するという危機感は共通しつつ、しかし大いに異論もあったとのこと。
「南北に相違が見られる。ドイツオランダ辺りは怒っていた。ユーロから追い出せという意見も多かった。南はギリシャと似たり寄ったりの状況なので、賛成。フランスはユーロを堅持するべしということで、ドイツにも働きかけた。ドイツ・オランダの反発は強く、オアランダは安定通貨であったギルダーを放棄してユーロに入ったのに、という反発。
ユーロゾーンからギリシャを追い出すということは不可能なので。唯一の政策の選択肢は、ギリシャを厳しい監督下に置くということ。ギリシャの出血を止めなければ行けないということ、ユーロの下落に歯止めをかけなければならないということで、支援策を決めた。
しかし財政赤字を13パーセントから3パーセントに引き下げるというは極めて難しい。モラトリアムやデフォルトのリスクもあると思っている。ギリシャの危機が拡大・伝染しないように努力していかなければならない。」「ギリシャは、EU加入は良いが、ユーロゾーンに加盟しない方が良かったと言う意見もある。加盟の時には努力してきたが、加盟後は財政が緩んだ。EU加盟を急いだことが問題の発端。」
政治家としてのざっくばらんな意見開陳に感謝。そして最後に「EUは今まで、人権だとか環境だとか、絵に描いた餅のような大義名分を打ち出してきた。何が現実的なのか、踏まえた上で、地に足の着いた政治を行っていく。」との言葉が。全く日本に置いても同感。
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