ギリシャに着くとなんと大使が空港にお出迎え。ギリシャ大使は民間出身の方で、野村證券の副会長等を歴任された戸田さんです。政府高官や要人がバカンスの中にあるにもかかわらず、パパコンスタンティヌ財務大臣、中央銀行総裁と面談できたのは、大使のご尽力に負うところがおおきいのではないか、そう思います。
ギリシャのソブリンクライシスの発端は、昨年の政権交代により、前政権の財政の粉飾決算が明らかになったことによります。財政赤字の額が2倍にふくれたのです。パパコンスタンティヌ財務大臣は49歳、政権交代後財務大臣に就任。IMF、EU、ECBのトロイカによる支援策の前提となる各種政策を協力に実行する中心人物。
今年の上半期で財政赤字の4割ほどを削減したとのことでした。具体的には公務員給与の引き下げ、年金の給付水準の引き下げ、付加価値税(消費税)の引き下げなどです。
私から、「日本も財政赤字や累積債務といったギリシャと同様の問題を抱えている。財政健全化のための努力には心から敬意を表するが、その努力にもかかわらず、ドイツ国債とギリシャ国債のスプレッド(金利差)は縮まらない。市場はギリシャ財政の健全化に疑問を持っているのではないか」と質問しました。パパコンスタンティヌ財務大臣からは、「日本とギリシャの事情は異なる」との前置きのあと、「当座の危機は回避したし、トロイカからの評価も良い。不人気に思えるこれらの政策にも支持がある。ただマーケットが懐疑的であるのは事実で、着実に政策を実行するしかない。総理は政権を失うことになっても構わないと言っている」とのことで、「デフォルト(支払い停止)やへカット(債務削減)は絶対に起こしたくない」と力強く語っていたのが印象的でした。
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