アメリカの北朝鮮に対する金融制裁が解除される見込みとなりました。アメリカはいうまでもなく、武力を背景に金融制裁という手段で北朝鮮に圧力をかけていた訳で、核問題と引き換えに金融制裁解除を行うというのは、アメリカだけの事情を考えれば、外交的な勝利ということになるのでしょう。イラクに加えてイラン情勢まできな臭さを加えているのですから、決着を急ぎたいという思惑もあるに違いありません。
問題は日本です。日米関係は良好であるとか、日米同盟などといわれておりますが、対北朝鮮に関してはまったく足並みが揃っていません。アフガニスタン支援で、海上ガソリンスタンドをつくり、イラクに復興支援で自衛隊を派遣しても、日米関係は強まるどころか、北朝鮮問題における今回の対応を見ての通り、完全に袖にされてしまっている訳です。
日本にとって拉致問題が重要であることはいうまでもありませんが、ならば日本として拉致問題の解決のためにどんな努力をしたのか、日米の連携がしっかりとれていたのかというと、結果としてダメだということになります。
これは日本自身の外交戦略の失敗であり、アメリカを批判しても始まりません。それどころか、アメリカを批判することさえしないのが、今の日本の政治・行政・社会・マスコミの現状です。あまりにも内向きすぎて、世界から取り残されている、本当に残念です。
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