景気がいい、景気が悪いと言いますが、今回の景気回復ほど実感とかけ離れているものもないでしょう。90年代、アメリカにおいて「ジョブロス・リカバリー」と言われ、景気が回復しているのにもかかわらず、雇用が減少してゆく現象が見られました。同じことが日本においてもおこっているのではないかと思うのです。
そもそも景況感の判断は統計の数字でしかないわけですが、マクロで良くなっていても、個別に調べると悪くなっている人の数の方がはるかに多かったりする。統計のマジックです。
つまり富が偏在しているわけで、これが「格差」です。将来不安にしても、自分の将来が見通せないという不安感から、将来が見通せてしまうこといによる「絶望感」になっているのではないか、だから自殺者の数も高止まりしているのではないか、そう感じます。
「頑張ればなんとかなる」と思えれば「希望」が持てますが、「頑張ったってしょうがない」と感じれば「絶望」しか生まれません。経済政策の目的とは、その「希望」が持てる世の中づくりと関係しているのではないでしょうか。
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