経済政策における真の「効率」とはいったい何か。それは人的資源を最大限に有効活用することにつきます。
一企業を考えた場合には、リストラというのは有効な活性化策であったとしても、国全体、経済全体を考えた場合にはそうではありません。失業者に対しては、国はいろいろな給付をしなければなりません。持ち出しのほうが多くなるわけです。失業者を国外追放すれば景気は一挙に回復するでしょうがそれは無理な話。対して働くべき人が働けば所得税その他の税収があるわけで、財政にとってもプラスです。
見かけの数字を良くするために、人を切る。結果失業者が増えて、消費が落ち込み、経済全体が停滞する。良くなった企業の話は聞くけれども、全体の景気は良くなったという実感がわかない。縮小均衡では、景気は良くならないのです。
今の日本経済が、統計上の数字は良くなっていても、実感をぜんぜん伴っていないこと、また財政赤字がうなぎのぼりに増えてしまっていることは、まさに人的資源を有効活用していないからに他なりません。
給料が高すぎるなら、それはもちろん是正しなければなりませんが、単にクビにするだけでは、人的資源を有効活用することにはなりません。経済政策がまっさきに取り組むべきこと、それは「人を活かす」ことです。
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