日本の選挙が無原則というのは、衆議院は小選挙区比例代表並立制、参議院は都道府県単位の大選挙区単記制(中選挙区という言葉は日本でしか通用しないそうで、大選挙区・小選挙区という分類が国際的には一般的とのこと)と非拘束式比例代表になっており、本来であれば小選挙区、比例代表にはそれぞれの思想的バックボーンがあるはずなのに、いかにも無原則にご都合主義的に組み合わされていることを指しています。加えて自治体議員選挙は大選挙区単記制です。
比例代表は民意を鏡のように写す選挙制度であり、民意が多様である場合や、国の成り立ちとして多民族国家であったり多宗教国家であった場合に、そうした民意を反映させるための制度。他方小選挙区は、少ない票差を大きな議席差として、しっかりとした政権基盤をつくるための制度としています。
また傾聴に値すべきは、「民主主義とは政権交代が起こるかどうか」「政権交代を起こすためにこそ民主主義が必要である」としている哲学者・政治学者がたいへんにおおいことです。
本書によれば、大選挙区単記制(日本では中選挙区制という)は、明治期の山県有朋が、政党政治を破壊し藩閥政治(超然内閣)を維持するために考案したとのこと。政権交代を主張する我々民主党は、今一度このことをよく考えてみねばなりません。
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