中塚一宏の「いっこうで行こう！」

「仕事と生き甲斐の分離」

一方で最近、創業者一族の内紛とか、創業者と経営陣の対立、という報道を見かけるようになりました。

「会社は誰のものか」というのは古くて新しい問題。公開企業になれば尚更です。

「会社＝生きがい」になっているオーナー経営者は多いと思う。企業価値を最大化して売却し、他のことに投資をするとか、人生を楽しむといった人は少数であるように思います。

「資本と経営の分離」もさることながら「仕事と生き甲斐の分離」が必要かもしれません。

創業者

もう１年以上前のことになりますが、とある会社のオーナー社長さんと話をしていて、民主党の話になりました。

その方いわく「創業者を追い出すなんて、そんな組織は信じられないし、創業者の悪口を言い続ける組織も信じられない」。

その時はそんな見方もあるのだな、と思ってましたが、そういう風に受け止めておられる方が多いのも事実。

再生可能エネルギーの現場を歩く

今週は前半九州・長崎でメガソーラー、後半は群馬・万座温泉で温泉バイナリー発電、週中は京都で打ち合わせ。万座温泉から高崎まで車の車窓からあちらこちらに太陽光パネルが設置されている光景を見て、固定価格買取制度が着実に普及を後押ししていることを実感。

自分自身が内閣府副大臣として取り組んだ再生可能エネルギー関連の規制緩和により設置・建設が容易になったと聞くと、さらに感無量。これからも技術的な問題や資金アレンジの相談なども含めて全国を飛び回りたい。

 

「◯◯神話」

それにしても、年配の方ほど原発再稼働派が多いのは気のせいだろうか？そして文科系の人ほど信仰に近い「科学技術神話」を抱いているのも気のせいだろうか？

最終処分や高速増殖炉等の核燃料サイクル計画は「そのうちできる」と言い続けられてきたけれどできはしない。「原子力発電所は、危ないかもしれませんが、あなたの自治体に作らせてください」とは言えず、「安全です」と言い続けてきたのが、今ではないのか。

件の講演会でもそうでした。唯一、テールリスクを理解してくれたのは、リスクコンシャスな金融業界の方。

難しい話ではない、できるかどうかわからず一旦事故が起こればとてつもない損失をもたらすものをさらに追いかけるのか、今十分に実現可能な再生可能エネルギーを普及させるのか、と言った単純なことなのですが。

「あなたの会社でやるとしたら、原発か再生可能エネルギーかどちらにしますか」と聞かれれば、答えは明らかだろうに。

 

「成人となりては、童のことを棄てたり」

とあるところで講演させていただきました。少人数でしたが、かつての名だたる経営者の方ばかり。９割がたリタイアされています。

再生可能エネルギーのお話をさせていただいたのですが、総選挙不出馬前にお受けした講演だったので、聴衆の皆さんは私を政治の世界の人間としてお話を聞かれたよう。

どうしても相手を説得し論破しようとしてしまうクセが抜けない。反省。今の私は再生可能エネルギーのビジネスの場を提供することが仕事のはずなのに。

地域創生に再生可能エネルギーの活用を

地域創生が今年の大きなテーマだとか（「地方」という言い方は「中央」の対義語のような感じがしてあまり好きではありませんので「地域」に代えさせてもらいます。）。

自然エネルギー関係で日本中飛び回ってますが、たしかに疲弊ぶりが目に余る地域があるのは事実。「このあたりじゃ猿や鹿は珍しくないけれど、２０代の若者は珍しい」とその土地の人に言われたこともあります。

ぜひ地域活性化に再生可能エネルギーを活用してほしい。地域から資金を流出させるのではなく、民間資金を地方へ。エネルギーを地産地消することになれば、地域活性化の一助にもなるはず。

「がんばると迷惑な人」

久しぶりに面白い本を読んだ。

「がんばると迷惑な人」太田 肇氏著（新潮新書）。

努力が大切なことは言うまでもありませんが、それも時と場合と仕事によりけり。いまは関わりのなくなった選挙運動についても同じことが言えるのだろうと思います。

過去の成功体験から、自分もそうだし人に対しても努力を押し付けがち。時代や環境の変化に応じて、努力の中身も変わるということでしょうか。