中塚一宏の「いっこうで行こう！」

「Finance is a gun. Politics is knowing when to pull the trigger.」

「金融は銃だ。政治とはいつ引き金を引くかだ」。私の大好きな映画、ゴッドファーザーPart３に出てくるセリフです。

日本銀行の追加金融緩和。いろいろな論評がありますが、まさに政治そのものだな、と思います。閣僚のスキャンダルも頻発しているし、消費税の引き上げ判断時期も迫ってます。

特に消費税の引き上げについては、引き上げなかった場合、「引き上げるべき」論者を懐柔するのは難しい。一方で、引き上げた場合に「引き上げるべきではなはい」論者を懐柔するのは簡単で、バラまけばいいわけです。

総理はまだ消費税について判断をしてないのかもしれませんが、背景にはそういったことがあるのではないか、そう感じます。

 

「不惑」？

最近、なぜか立て続けに人様の相談にのることがありました。どちらかといえば私の方が相談にのっていただきたい立場ですが。

私も来年はちょうど５０歳。人生不思議なもので、歳を重ねれば重ねるほど、長期的に物事を考えられるようになった気がします。先行きはどんどん短くなっているのに、です。

若い頃は（今でも若いつもりですが）、なにかと気が焦ってばかり。そして完璧にこなさなければ、という思いが強かった。今はもうちょっと幅広な考え方ができるようになってきたように思うのです。

良いことなのか悪いことなのか、自分にはわかりませんが、不惑というのはこういうことなのかなと思ったりもする今日この頃。

「円安倒産」

とうとう「円安倒産」なる言葉まで登場。まだ件数はさほどではないし企業倒産の理由は様々ですが、やはり世間の関心が円安に集まってきている証左だと思います。

「円安で景気回復」というシナリオが実現していないからこそ。多くの人が、「ちょっと話が違うな」「期待していたほどではないな」と思い始めたから。実際多くの中小企業は、原材料費や燃料の高騰に悩んでいます。統計の数字と実感とは違うものです。

さてこうなると、同じ政策を続けていくべきかどうかが問題となる。消費税引き上げ判断と合わせて、まさに胸突き八丁。

日の丸ジェット

日本初のジェット旅客機、ＭＲＪがロールアウト。いろんな意味で個人的に感無量。

日本は技術立国だと言いながら、先の大戦の敗戦の影響で、欧米の後塵を拝している技術分野がまだまだある。航空宇宙などはその典型ですが、長年の関係者の努力によって、ロールアウトまでこぎつけたことはほんとうに喜ばしいと思います。

これから初飛行、まだまだ克服しなければならない課題は多いことでしょうが、ぜひ成功させてほしいものです。

カタルシス

鳴り物入りの目玉閣僚が、相次いで「政治とカネ」他の問題が噴出。

世論が厳しい反応を示しているのは、当然といえば当然ですが、その背景には前々から述べているように、やはり景気の問題があると思います。

自分が厳しい立場に置かれた時に、何かとカタルシスを求めるのは世の常のこと。景気動向は海外に左右されやすいので、今後のことを言うのは憚られますが、景況感が悪化する、または改善しなければ、きっとこういったことはこれからも続くと思います。

政治と経済３

 

円安になっても輸出がなかなか伸びませんが、日本の経常収支の推移を見ると、２００５年に貿易収支を所得収支が追い抜いています。すなわち、日本は貿易立国ではなくなってきているということで、この傾向は変わらないだろうと思うのです。

リーマンショック以降の円高の前から、貿易で稼ぐ力は衰えてきている。それを見誤って、円安になれば輸出が伸びるだろうと考えたのだとすれば、それは政策の失敗に他なりません。

「円安になっても思ったほど輸出が伸びなかった」といのは、言い訳にはなりません。それは日本の産業構造の変化を見誤ったことに他なりません。

ノーベル物理学賞受賞に思う。

ノーベル物理学賞の受賞者に日本の研究者。よろこばしいことです。

受賞者のお一人は、かつて自分の在籍していた会社に対して特許をめぐって訴訟を起こしたことで有名。私はかねてより注目していました。

というのも私も工学部出身ですが、日本の技術者というのは大事にされていないな、と思うからです。技術立国と言う割には、技術者を冷遇しているし、理科系文科系関係なく、「ヒト」を大切にしない風土があるように思います。

もっとも、理科系の人間も、それに甘んじていることが多いのも問題。努力が正当に評価されるようになって欲しいな、と思います。

政治と経済２

安倍政権が消費税引き上げの判断をするかどうか、これも神ならぬ身の知る由も無し、だけれど、期待先行でここまで来たアベノミクスに対して、疑問が生じ始めているのは事実。

金融緩和自体は否定しないし、株価が上がって景況感が良くなったのも結構なことと思う。しかしながら、景況感が良くなっている間に、日本経済の体質改善、例えば産業の更なるソフト化や金融立国・投資大国への様々な制度改正を行わねばならないはず。大切なのは２１世紀の日本のメシのタネは何か、ということ。

ここで更なる追加緩和や公共投資の追加が行われるとしたら、もちろんそのこと自体は否定しないけれど、本来やるべき日本経済の体質改善が、またまた後回しになってしまうのではないか、それだけが心配。