ヨーロッパの財政・金融問題を見ていて常々思うことは、通過統合が進み経済統合が進んでいるのに、財政統合や政治統合が進んでおらず、しかも政治の意思決定をはるかにしのぐスピードで経済・市場が動いていくということ。このタイムラグが新しい問題を生み、新しい問題が問題をより深刻化させてゆく悪循環。
情報化技術の急速な進展を背景に、経済は金融面が先行するかたちでどんどん一つになろうとしている。これはヨーロッパにのみ当てはまることでなく、全世界規模で進行しており、その意味で世界は一つになろうとしている。
税制も金融監督制度も、世界共通ルールが求められてゆく傾向が強まるに違いない。まったくもって新しい時代だと思う。わが国がグローバルスタンダードづくりにイニシアティブを発揮してゆくことが何よりも重要な政治の役割。それこそが日本の国益。
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