「今井四郎、馬より飛び降り、主の馬の口に取りついて申しけるは、『弓矢取りは、年ごろ日ごろいかなる高名候へども、最後の時不覚しつれば、長き疵にて候ふなり。』」
木曾義仲は戦いに敗れ、家臣の今井四郎兼平と、京の都から大津の粟津へと敗走する。そして、敵をふさいでいるから、その間に自害をとすすめる兼平に、「本当は都で討ち死にするはずだったが、お前と一緒に討ち死にしようと思ってここまで来たのだ。」と言う。
その時、今井四郎兼平が言ったのが、冒頭の言葉。「武士は、日ごろいかに功名があっても、最後の時に失敗をすると、永遠の不名誉となってしまいます」。木曾義仲は、兼平の言葉に従って、自害するため粟津の松原へ馬を走らせる。
平家物語の「木曾の最期」。主従の絆が美しい。総理の周りには今井四郎兼平はいないのか?
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