中塚一宏の「いっこうで行こう！」

「４１２人内閣」はどこにいった？

日曜日でも朝から税制改正。携帯電話は鳴りっぱなし。合間に党内政局に関する電話も。

と、恐れていたことが現実に。政府が１５日に閣議決定を目指していた税制改正大綱が１６日に遅れるという報道。これは一番政権への信頼を損ねることです。

私は、代表選挙負け組だけれど、我々が選んだ総理なのだから、ちゃんと支えようということで今日まで努力をしてきたつもりです。引き受け手があまりいない地球温暖化対策税検討小委員会の委員長を引き受けたのはその想いから。なんとか実現にこぎ着けるところまできたのに、執行部発の党内政局による今の党内の状況はほんとうに嘆かわしい。

菅総理は代表選挙の際、「４１２人内閣」を標榜していたはず。現状それができているとは到底言えません。

週末にもかかわらず・・・

週末の地元の意見。「なにやってんだ」というものから「党は割らないでくれ」というものや「新党をつくれ」というものまで。マスコミ報道はヒートアップする一方なので、そのようなご意見がでることも宜なるかなと思います。

役員会で小沢氏の国会招致について議決するというけれど、せっかくだからこの際、「政治とカネ」について徹底的に議論したらいい。「政治とカネ」の問題とは一体何なのか、小沢氏の説明の足りないところはどこで、何を聞きたいのか。

週末土日にもかかわらず、税制改正は休日返上で続いています。本当に心から、政局にうつつを抜かしている場合ではない、予算と税制を一刻も早く仕上げることに全力を傾注するべきです。

与党としての責任

私が提言をまとめた温暖化対策税も大詰め。ところが党内が温暖化。シャレにもならない。

当然私は、裁判になることが確定している人を国会に呼ぶなどあってはならないことだと考えてますが、「小沢さん国会に出て説明すべきではないの？」と思っている党内の議員の中でも、「なぜにこの時期？」と感じている人が圧倒的に多い。

やっと先週国会が終わりました。国会はどちらかというと野党が主役、私たちも野党時代はことあるごとに「国会を開くべき」と申しておりました。その国会が終わって、お蔭様で補正予算も成立。来年度の予算・税制改正作業に没頭できるようになった。予算・税制の編成作業こそ、与党としてのプレゼンスを大いに発揮できる場のはずです。

なのになぜ、今、小沢氏の国会招致で党内が大騒ぎになるのか。大騒ぎにする必要があるのか、まったく理解ができません。「国民の生活が第一」の政策を実行するのは、予算・税制のはず。

与党としての責任がどこにあるのか、誰だってわかっていると信じたいのですが。

いまさらながら原理原則の重要性

永田町界隈では新しい連立政権の可能性がささやかれています。もちろん政権基盤を安定させることは政策遂行にとって重要なこと。しかしもっと大事なことは、その政策の中身です。

民主党が昨年夏に約束したこと、できたこともあるしできていないものもある。できていないことについては、これからどうやって実現するのか、それを示さねばなりません。

もちろん政治だから時に妥協しなければならないこともある。しかし妥協は、原理原則あってのこと。つまりキチンと説明できるかどうか、です。

原理原則なき妥協は、野合です。

今、民主党がなすべきこと

今週初めくらいから不穏な空気。今日も朝から深夜まで仲間と情報交換。

９月の代表選挙終了直後も申し上げましたが、結果はどうあれ私たちが選んだ代表なのだから、支えてゆくのは当たり前。テレビや新聞はおもしろおかしく「小沢グループが民主党を割る」などと報じていましたが、決してそんなことはない。もちろん小沢グループの中にも「過激派」（？）がいるのも事実ですが、小沢一郎氏本人が、政権を支え政権交代を成功させると言っているのだから、小沢グループなら菅政権を支えて当然です。

ところが残念なのは、総理や執行部のほうが、挙党一致体制をとるつもりがないのではないか、と思わざるを得ない行動をとるということ。折しも来年度予算と税制改正でてんやわんやの今日。私は来年度の税制改正が本当にキチンとできるのかどうか、懸念を持っていますが、いまこそ来年度の予算・税制を仕上げるときのはず。党内政局をやっている場合ではありません。

「ガンダムと日本人」

「ガンダムと日本人」（文春新書、多根清史氏著）。「機動戦士ガンダム」は中学生の頃に放映されたアニメ。さすがに次々つくられる続編まで追いかけて見てませんが、兵器マニア、プラモデルマニアだった私は、それまでのアニメにはないリアルな物語や舞台設定など結構魅かれたものでした。

この本は、単純な勧善懲悪でない機動戦士ガンダムのストーリーを、戦前・戦中・戦後の日本と重ねあわせて論じているのですが、なぜ買ったかというと、本に掛かっている帯。その帯には「小沢一郎はシャア・アズナブル？」とあって、これは読まねばと思った次第。

税制改正の合間に時間を見つけて切れ切れながら読んでます。

 

カーボンパリティ

温暖化対策税には、二つの効果がある。まずは課税によって化石燃料の価格が上がることによって、消費が抑制されるという効果。これを価格効果という。他方、温暖化対策税による税収でエネルギー高度化事業等を実施して、温室効果ガスを抑制するという効果。これを歳出効果とする。

現在の揮発油税や軽油引取税の旧暫定税率を廃止すると温室効果ガスが１パーセント増えるとのこと。つまり数兆円単位でガソリン等に課税してもあまり価格効果は期待できない。石油石炭税の方が、少ない課税額で同程度の価格効果が期待できる。いずれにしても、検討を加えた結果、課税による価格効果はあまり期待できないとのことでした。

他方、歳出効果の方は、国がエネルギー高度化推進の呼び水としての事業を行うことによって、温室効果ガスの削減に資することができる。すでに閣議決定されているエネルギー基本計画によれば、２０３０年に１９９０年比３０パーセントの削減を目標としています。

価格効果と歳出効果と。両方勘案して出した結論が、今回の提言案です。

 

「当分の間」税率

税制改正も大詰め。私が委員長をつとめる地球温暖化対策税検討小委員会も提言を出し終わりました。その中で、旧暫定税率、今年度は「当分の間」税率としたものについてもふれました。

民主党の主張は、ガソリン税その他の暫定税率は廃止するというもの。残念ながら昨年末の税制改正においては、景気悪化に伴い急激に税収が落ち込んだことから、暫定税率を廃止してガソリンや軽油等の価格を引き下げることができませんでした。そのかわりに措置したのが「当分の間」税率です。

政府部内には、この「当分の間」税率も温暖化対策税として衣替えするという提案もあったのですが、小委員会としては認めませんでした。財政事情の厳しさは変わりませんが、ガソリン等の旧暫定税率すなわち「当分の間」税率を温暖化対策税にしてしまうと、もはや廃止・引き下げができなくなる。

今はムリでも、将来財政事情が回復したら、公約通りに旧暫定税率は廃止するべきだ、私はそう思っています。燃料にかかわる温暖化対策税は、いったんガソリン等を引き下げてから検討するべきです。

 

政局と政策

政治にとって一番大切なものは政策。誰も異論がないことと思いますし、私自身もその想いで活動してきました。他方、政策は官僚も作ることができるし、学者やシンクタンクでも作れる。政治家にしかできないのは政局です。

政局運営を上手にやらなければ、政策は実行できません。また政治家のつくる政策には多分に政局的な要素が含まれている。後から「そうだったのか」とお分かりいただけることも多いはずです。

かつて小沢一郎氏に言われた言葉。「政局のために政局にしようといくら頑張っても政局にはなかなかならない。しかし政策をとことん突き詰めてゆけば、政局になる可能性が大きい」。だからこそ政策が重要ということだと思う。多くのメディアが言うように、政局と政策は二律背反ではありません。

予算編成・税制改正の行方

臨時国会も今日で終わり。しかし昨夜来、税制改正関係でワサワサして忙しい。いよいよ大詰め。しかし気になることばかり。ストレスもたまる。

しかし一方で、複雑で利害が絡まりあっている税制や予算編成、誰が最後に責任を持って取りまとめるのか、その姿が見えない。昨年は、小沢幹事長がドロをかぶって予算と税制を取りまとめたわけです。世間では評判が悪いこと甚だしいですが、まぎれもない事実。昨年末の予算編成は、小沢氏の判断と実行力がなければ年内とりまとめはできなかった。

さて今年は誰がその役割を果たすのか？取り越し苦労だと良いのですが。