昨年三月、小沢一郎氏の政治資金団体にまつわる問題で逮捕者が出た時、「歪んだ正義」(宮本雅史氏著、角川文庫)という本を読みました。東京佐川急便事件を中心に、特捜検察の見込み捜査の実態と、その帳尻を合わせるために、無理にムリを重ねる取り調べや調書作成のことが書いてあります。東京佐川急便事件は私が政治の世界に飛び込んだ、駆け出しの秘書のころにおこった事件。自分の青春時代ともだぶってあっという間に読みました。
だから今回の大阪地検特捜部検事による証拠改ざん事件を聞いても、あまり驚かなかった。あのような捜査や取り調べが日常茶飯事に行われていたことは、何人かのジャーナリストが指摘していたところだったからです。他方いわゆる「お茶の間マスコミ」は、被疑者を悪人と決めつけるとステレオタイプの報道を垂れ流してきました。
我が家にはテレビがありません。私自身は見る時間もないので不自由は感じませんが、さすがに二人の子供は不満そう。そして新聞もとってません。必要な情報はネットでもとれるし、仕事柄、霞ヶ関の省庁や、国会図書館、衆議院調査室はオーダーすればキチンと資料を届けてくれる。
新聞やテレビを見て腹を立てるくらいなら、新聞代やテレビを買うカネで他のことをした方がいいや、と思っているからですが、世の中の動きを知るために、少しは目を通した方が良いかなとも最近思ってます。
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