もう10年前にもなりますが、経済予測に熱中していた時期があって、その時「複雑系」を知りました。「複雑系」というのは(複雑適応系とも言う(Complex Adaptive Systems))アメリカのニューメキシコ州のサンタフェ研究所が中心となって研究し始めた、科学の方法のことで、一言で説明するのはたいへん難しいのですが、相互に影響を与え合う要素が、最終的にどのような結果を生むのかを解明するのに役立つ手法であり、演繹的ではなくて、帰納的な方法です。経済動向やら生物の進化、まさに複雑な社会事象を扱うのに優れています。
何が言いたいかというと、世の中は複雑だということ。政治は分かり易くなくてはなりませんが、政策については本質的に複雑であるということです。高度情報化社会は、大量の情報を安価に配布することができるわけで、その意味においては、理解の手助けになるべきはずの技術ですが、どうもセンセーショナルな情報だけが早く伝わるような気がしてなりません。高度情報化が、短絡化につながるようでは本当に残念です。
高度情報化が極端な情報だけを伝えるものであってはなりません。物事の本質をしっかりと伝えてゆくこと。情報発信に今一番問われていると思います。
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