税は政治の半分以上。税制こそが社会の形を決めるわけだし、徴税は強制力を伴っていて、まさに国家権力そのものです。
そして税制こそが、政治権力の根源でもあります。政治の世界に入って間もない頃、駆け出しの秘書の時に、先輩から言われました。「税制改正こそが権力の源泉、そして合法的なカネづくりの源泉だ」。
つまり税制改正によって業界や団体に恩を売ることができるし、それに応じて見返りの献金が期待できるということ。利益誘導で公共事業の補助金をピンハネする様なやり方は、すぐにアシがつくしバレると贈収賄として立件されてしまう。金集めの方法としては下の下。アシがつかないようにカネを集めるには、税制改正を利用して、業界団体を通じて献金を集めるのが一番で、中央官庁が所管の業界を斡旋してくれる。だから中央官庁も議員も税制改正には血眼になるのです。
さて、いまは経済財政諮問会議に、経団連をはじめとする大企業の経営者が、経営者の代表として、業界団体の代表として、堂々と名を連ねています。かつては政治のウラ側の作法だったのが、今は公然と行われるようになってしまっているのではないか、それも改革の名の下に公然と行われるようになってしまっているのではないか、私は危惧と懸念を抱かざるを得ません。
企業の経営者が減税を求めるのは当然かもしれませんが、それが成立してしまう風潮と、税制改正の仕組みに、異議を申し立てたい気持ちでいっぱいです。
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