村上ファンドの村上世彰氏が、証券取引法違反により逮捕されました。会見では検事調書にサインをしたとも述べていたので、容疑を認めているにもかかわらず逮捕されるということは、きっと余罪がまだあるということでしょう。
村上氏が、日本の株式市場や資本市場について問題提起したことの大半については、私自身もかねてより主張をしてきたことであり、未だその体質の古さは改善されていません。例えば、メインバンクを中心とした株式の持ち合い構造。これでは株主のチェックが働かず、本当の合理化は期待できないし、直接金融市場を主とした資金調達によって初めてオープンな企業経営体制ができるわけで、日本の企業が総会屋などに極端に弱いのは、この閉鎖的な体質のせいだと私は思います。
ところが今回、そういった指摘をしてきた村上氏ではあるけれども、資本の論理を貫徹することによって市場を正してゆこうとしていた本人がルールを破ってしまった。残念でなりません。やはり本人もその責任の大きさを自覚するべきでしょう。
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