中塚一宏の「いっこうで行こう！」

金融立国のために ２

企業収益の改善に株価が追いついていないということです。

株価は上がったとはいうものの、ドル建てで見ると円建てほどではなく、ＰＥＲで見ると割安になってしまっているということ。つまり、日本株はもっと買われても良いはずなのに、そうはなっていないということ。

このことは政策当局者だけではなく、金融に携わるものがもっと考えなければいけない課題だと思う。

金融立国のために

２年前に比べて株価は約２倍になった、と言われるわけですが、ドル建てで見るとどうか。円建てで株価は約２倍になってますが、円はドルに対して４割程度下落しているわけですから、ドル建てでは３割程度の上昇です。

さてＰＥＲという指標があって株価収益率と言います。会社の利益と株価との関係を見るものですが、

株価収益率＝時価総額÷純利益

として算出、ＰＥＲが低ければその株価は割安だ、ということになる。

この２年間のＰＥＲの推移を見ると、２年前は２０倍。ところが今は１６倍。つまり２割下がっています。

リスクオフ

「昨年末気になったニュース」でギリシャのことを書きましたが、原油安と相まって、世界的に株安の地合い。他方で日本の長期金利は最低を更新と、リスクオフの流れ。

ひところのことを考えると、原油価格は激しく下落していますが、そのこと自体は悪い面もあれば良い面もある。燃料や原材料費の低下につながるからですが、ユーロ問題だけは注意が必要。

年末に、今後の為替動向について、円が上がるとしたらどういうシチュエーションだろうとぼうっと考えてましたがやはりリスクオフになった時だろうなと。経済のグローバル化とは正にこういうこと。

Workaholic？

今年は「カレンダーが良い」らしく、長めの休みを取る方や企業が多い。それはそれで悪いことではないと思うけれど、休みが多いということは営業日が少ない、ということなるわけで、必然的に平日は忙しくなる。

もちろん、休みが取れるのは公務員や大企業くらいで、中小零細に至っては休みなんか取れない、と言われる方も多い。

かつて日本人は働きすぎと言われましたが、最近は本当かなと思う。懇意にしている海外の人間も、日本は祝祭日が実に多い、と言ってました。

 

年末気になったニュース アメリカとキューバ、国交正常化交渉へ

アメリカ・オバマ政権がキューバとの国交正常化交渉に入ると。国交を断絶したのが１９６１年、私の生まれる前。５３年間国交がなかったわけですが、オバマ大統領は「孤立化政策は時代遅れ」とも。米ソ冷戦崩壊から約四半世紀経つわけですが、なんとも感慨深い。

政治というのは経済をはじめとする社会を追認してゆく場合もありますが、決断した政治家は名を残すことになるのだけは間違いない。

葉巻愛好者の私としては、アメリカとの国交回復でキューバ・ハバナの葉巻がどうなるのかも関心事。ケネディ大統領でさえキューバ国交断絶前にハバナ葉巻を買い込んだと言われています。値段が上がるのか、味が落ちるのか、どうなることやら。

年末気になったニュース ギリシャ情勢

年末のニュースで気になったのはギリシャ情勢。大統領が決まらないということで、議会は総選挙へ。

ギリシャはデモクラシー発祥の地と言われているけれど、他国が望むように物事は決まらない。もっともプラトンはデモクラシーを衆愚政治と批判したようですが。

さて、ギリシャ政局が混乱してユーロ圏にも波及するということになれば、リスクオフの流れで円が買われるかどうかがポイント。また世界経済減速の要因にもなりかねません。

金融担当副大臣・大臣の頃、ユーロ圏情勢でやきもきしました。早く終息することを期待。

あけましておめでとうございます。

今年のお正月は家族サービスを優先させていただきました。

三日に自宅でお正月、お雑煮。お雑煮といえば京都出身の私は白味噌。関東では丸いお餅がなかなか手に入らず、四角いお餅です。

というか、子供も妻もお雑煮なんか食べません。こういう風習も風化してゆくのでしょうか。

今年もよろしくお願い申し上げます。