「笑顔」は確かにプラス思考につながるように思う。思うに任せないことの多い世の中だが、笑顔でいれば楽しく解釈できる。現実を受け入れることができる。「幸せ」は、その人の心が決めることだからだ。
ただし御前様は、勝負に臨んではとても厳しい一面をお持ちだった。「人事を尽くして天命を待つ、なんてのんきなことを言っていてはいかん。何が何でも勝つと言え。絶対に勝つと言え」と言われていた。宗教者の言葉としては意外に思えるかもしれないが、「運は自分でつかむもの。そのために努力しろ」というのが御前様の教え。待っていたって「運」はやってこない。「運」とは自らつかまなければならないもので、そのためにも笑顔が大切なのだと言われていた。
もちろん、自分のお弟子さんに対しては別の教えを徹底されていたし、お弟子さんが御前様の前に出るときに、ヘラヘラ笑っている人など一人もいない。他の学生に対しては違うことを教えておられた。お釈迦様は「人を見て法を説け」と言われたそうだが、笑顔の大切さ、運のつかみ方は、政治に漠然と関心を抱きだしていた私のための教えであったと思っている。私の人生にとって、とてつもなく大きな財産になった。
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