もうすぐ中秋の名月。私が居候をしていた赤山禅院では、年間の最大のお祭り、ぜんそく封じの「へちま加持」が行われる。私の父親代わりの御前様のお弟子さんが全員集合、山の阿闍梨様も赤山禅院に降りてきて加持祈祷を行われる。お天気に恵まれればたくさんの参詣者でにぎわうことだろう。
御前様から学んだことは本当に多い。御前様は、「人はみな繁栄できる」ということを常におっしゃっておられた。そのプラス思考、「陽気」というのが一番大切な教えであったと今は感じている。
「とにかく笑顔」といつも言われていた。私自身、そんなに笑顔が多いほうではなったのだが、「そんなんではいかん」といつも言われた。「どんな時でも笑顔を絶やすな。暖かいところに人が集まり、人が集まるところに笑顔が生まれる。笑顔が増えるようにいつも考えろ。手を挙げたときに何人の人間が集まるか、それがその人間の値打ちだ」「楽しくなければ人は集まらない。世のため人のためとはいうけれど、それが辛くてしょうがなければ続かない。みんなが幸せになり、自分も良くなるようにしろ」と教えていただいたことは今でも忘れない。いつもそのことを反芻するようにしている。
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