御前様(叡南覚照大阿闍梨)は、千日回峰行を満行した行者。パッと見は、ジーパンにサングラスという、とてもお坊さんには見えない出で立ちなのだが、その分とても親しみやすい感じはする。もちろん法衣をお召しになればあまりにも近寄りがたいくらいにありがたいお坊さんなので、わざと自分でラフな格好をされているのだろうと思う。
千日回峰行者は、きっと並外れた神通力を持っているに違いないと思われる方も多いことと思う。偶然かもしれないが、1986年4月にソ連のチェルノブイリ原子力発電所が事故を起こして世界中に放射性物質を拡散させた時、数日前から頭痛がする、とおっしゃっていた。事故があったのを報道で知った時には「やっぱり」と言われたのが印象的だった。
学生連中に誘われて、ボウリングに出かけたことがあったのだが、「ボウリングは初めて」と言われていた御前様。フォームははっきり言ってメチャクチャだったが、最終の10フレームで3回連続ストライクで優勝。また勝負事と言えば、御前様は麻雀が大好きだった。最初の頃は、学生のために建てたプレハブ小屋で、麻雀牌を手で積んでいたのだが、好きが高じて、全自動の麻雀台を購入された。徹夜のおつきあいもしばしばだった。確かにほかの人とは引きが違う。並の人が太刀打ちするのは難しい。私の打ち筋は、常識はずれだったようで、よくお叱りを受けたが、メチャクチャ同士で楽しかったのかもしれない。好きというより、勝つまでやるのが御前様流。よくお相手をした。
コメント