中塚一宏の「いっこうで行こう！」

税金の使い道

九月も終わり。選挙から一ヶ月もたったのだと思うと早いような短いような。
さて常に対前年度比プラスで税収があったころの仕組みや考え方を改めて、多くある政策課題に優先順位をつけること。これこそ新政権の予算編成のポイント。「そんなにたくさん税金のムダなどあるのか」とか「そんなに簡単にムダの削減なんかできるのか」といったご意見もいただきますが、「ムダをなくす」とは使い道を変えること。今の時代に合うような税金の使い道に改める。
長期政権の結果、予算配分は固定化され肥大化している。変える余地はいっぱいあります。

続 政府与党の一元化

昨日選挙区内の町議会議員さんと話をしていて、話題は政権交代後の政府与党の一元化に。
長年、政府（官僚）が政党（政治家）の上位にあった国だけに、政府与党が一体化すると、すべての政策が官僚主導によって決定されるのではないか、との懸念を持っておられました。
かつては自民党も民主党も党の政策決定機関があり、そこで決めたことを政府にぶつける方法がとられていました。与党となった民主党は違います。党で決めたことはそのまま政府の決定。意思決定も迅速に行われます。まもなくそれが当たり前の光景になる。そしてそれが真の議院内閣制の姿なのです。

テレビで放送されていることだけが政治？

自民党の新総裁に谷垣禎一さん。谷垣さんが財務大臣のころには委員会でよく議論を闘わせたものでした。
自民党の総裁選挙はさすがにテレビ中継されていましたが、それでも自民党が与党時代の昔日の面影もない。対して民主党にはほんの些細なことでもメディアの注目が集まる。テレビの中で起こっていることだけが政治ではないのだけれど、テレビに映っていなければ、それは起こっていないのと同じなわけで、野党時代には悔しい思いもしましたが、今は逆に戸惑うことの方が多い。
ほんの少し前は、舛添さんが時の人だった。２ヶ月ほど前は、東国原さんが時の人だった。私なんぞはすっかり忘れていましたが、ふと今日思い出しました。

政権交代は参議院選挙に勝ってはじめて完結する

来月には神奈川県と静岡県で参議院補欠選挙が行われます。神奈川県の公認候補予定者は金子洋一さんです。そして来年には参議院通常選挙が行われます。
参議院選挙は絶対に勝たねばならない選挙。参議院で過半数を割るようなことがあっては、たちまち新政権は立ち往生する。安倍・福田政権よりもみっともないことになってしまう。
特に神奈川県の補選の議席はもともと民主党のもの。負けられません。

年金制度に対する不信

いろいろな方と政策課題で懇談しますが、やはり一番関心が高いのは社会保障制度。高齢者の方は医療制度についてですが、５０代半ば以上の方は、年金制度に関心が高い。
さて日本の年金制度はホントにややっこしい。まがりなりにも保険方式なので、保険料は掛け金のように思われがちですが、実際は賦課方式といって、自分の払った保険料が将来自分に戻るのではなく、今払った保険料はそのまま給付にまわされている。つまり税金と同じことです。
今までの自公・厚生労働省の説明は、あるときは保険方式を強調し、払った人でなければもらえないという。その一方で賦課方式だからと、保険料を引き上げ給付を切り下げ、支給開始年齢を引き上げる。役所にとって都合の良い説明しかしてこなかったのです。だから議論が混乱する訳ですが、大切なことは、年金制度は社会保障だということ。自分の払った金が返ってくるだけなら、民間がやっても良いはず。またあまりにも金額が少ないと、生活できない訳で、これまた話になりません。
年金制度は社会保障制度である。これを再確認することから新しい制度の設計がスタートするはずです。

男は腕っぷしとやせ我慢

深夜に帰宅。ネット通販で格安で購入した「崖の上のぽにょ」のＤＶＤが届いていて、見ようかな、と思ってパッケージを見たら「母と子の物語」とありました。「母と子かぁ。ちょっと今の気分じゃないな」となぜか「紅の豚」を引っ張り出してきて見てしまいました。
久しぶりにＤＶＤなんぞ見ました。男は腕っぷしとやせ我慢。相変わらずいいお話だった。

政策とマーケット（市場）

さて政策を実行するのに、あんまり近視眼的になってはいけないのは当然のこと。マーケットの歓心をかう政策ばかりでは国を過つことにもなりかねませんが、政策がどのように評価されているのかを知る目安としては非常に重要なのもマーケット。
アメリカのＦＯＭＣ（連邦公開市場委員会）は、経済活動が上向いていると表明。それを受けてドルがもうちょっと買われるかと思いきや、ドルは安くなりじりじり円高となる。為替のプレイヤーの思惑はいろいろあるでしょうけれど、いわゆる金融政策の「出口戦略」がマーケットで気になるようでは、概括的にはアメリカの景気回復もそれ程力強いものではないようです。とかく目先のことばかりに注目が集まりすぎる訳ですが、目先のことばかりに熱中したからこそ招いた今回の金融危機。アメリカにはぜひ腰を据えてじっくりと取り組んでいただきないものです。

情報公開

日本に対する核持ち込みに関する密約について、岡田外務大臣は１１月末までに調査結果を報告するよう外務省に求めています。核持ち込みが良いか悪いかの以前の問題として、情報公開は大変重要です。
このことによらず、情報公開は民主政治の根本です。税金の使い道しかり、政治資金の問題しかりです。私は正しい情報が公開されれば、国民の皆さんは正しい判断をされるに違いないと信じています。
政治権力を持つものが、情報を非対称のまま放っておくのは絶対に良くない。過去の問題であっても積極的な情報公開を進めてゆきたいと思います。

政治家が政治家の仕事をするということ

鳩山総理が初外交。やはり選挙で選ばれた首相、ここ何年間かとは違って、堂々としているし、温暖化効果ガス２５パーセント削減もたいへん注目を集めている様子。霞ヶ関が利害関係を調整したものを棒読みしていたころとは明らかに違う、新しい政治がスタートしたのですからある意味当たり前。
なにも特別なことをしたわけではなく、当たり前の政治になっただけですが、余計なしがらみがないからこそできるわけで、政権交代の醍醐味です。

「所得再分配」としての社会保障制度

ここ何年かのいわゆる「構造改革路線」でボロボロになった筆頭は社会保障制度。医療・年金・介護と、給付を受ける側だけではなく、供給側（医師、歯科医師、介護従事者）の疲弊も著しい。今回の総選挙の争点でもありました。
加えて「構造改革路線」によって生じた格差社会。この二つは無関係ではありません。社会保障制度はそもそも所得再分配機能を持っている。たくさん稼ぐ人からそうでない人に、国が再分配をするというもの。社会保障制度の疲弊が格差社会を生んだといってもいいと思う。
そして格差社会は、日本全体の活力低下につながっています。その意味で社会保障制度の再構築こそ急務。景気回復のカギもまさにそこにあるのです。