中塚一宏の「いっこうで行こう！」

消費税

消費税増税でもめ続ける自民党。なぜ今増税を持ち出す必要があるのか、何か隠された意図でもあるのか、勘ぐりたくなります。

そもそも税制改革を言うならば、消費税だけではありません。法人税もあるし所得税もある。資産課税だって検討の余地ありです。なぜ消費税のみなのか皆目分りません。引き上げを付則に書くというのもいかにも姑息。やるならば本則で堂々とやればよい。

さてもめているようですが、何といっても自民党は融通無碍。最後はどうとでも取れるような法文で玉虫色の決着になりそうな、そんな気もするのです。

ブレ続ける総理

定額給付金に対する考え方も福祉政策なのか経済政策なのかご自身が分ってらっしゃらない。次の総選挙の争点は景気対策だとしながら、消費税増税を持ち出したものだから、今度は党内の反発をかわすために、選挙制度改革だの議員定数の削減だのを唐突に持ち出す。ちょっと他人に影響をされすぎなのではないかと思います。

お祭り騒ぎの自民党総裁選挙から４ヶ月。あの総裁選挙の際にふれていなかった政策がどんどん飛び出してくることにもビックリですが、それがぶれ続けているのは、やはり総選挙という国民の審判を経ていないからでしょう。

本当の構造改革とは 検証 小泉政治 その４

構造改革とはその名のとおり「構造」を「改革」することです。制度・仕組みを変えてこそ構造改革。小泉政治は制度・仕組みを変えないで、単におカネのやりくりだけ。そして結局地方と家計が疲弊してしまいました。

たとえば、年金を保険料方式から消費税方式に改めて、皆が払い皆がもらえる制度に変える。これが構造改革です。国から地方への補助金を廃止して、地方の自主財源を増やす。これが構造改革です。

カッコのいい掛け声とは裏腹に、しがらみだらけで何もできない政治に決別をするとき。本当の「構造改革」は政権交代からスタートします。

検証 小泉政治 その３

アメリカ発の世界同時不況ではありますが、日本において今の経済危機の影響がより深刻となっているのは、改革が足りなかったからではありません。改革ではなかったからです。

企業セクターは優遇されてきたけれど、家計部門はずっと冷遇されてきた結果が、雇用の減少につながっており、その企業セクターの優遇も、生産性の向上につながるようなイノベーションがあったわけでもなく、従来型の大量生産・大量販売方式が一時の円安により盛り上がっただけのこと。日本の将来を見据え、少子高齢化社会・成熟経済化の日本経済は如何にあるべきかという本当の「構造改革」は置き去りになりました。

いまこそ既得権益・従来の発想と決別して、本当の改革を実施するとき。そのための政権交代です。

構造改革の名に値するものなど何もない。 検証 小泉政治 その２

さらには「三位一体の改革」として国から地方への補助金と交付税を削減。地方の自由度は下がって地方分権には全く逆行。国と地方との格差はどんどん広がり、疲弊する地方が増えました。
個人については、定額減税を廃止。年金の物価スライドをやめ、年金の保険料を毎年引き上げ。後期高齢者医療制度を導入するなど、負担を増やし続けてきたのが、小泉政治・自公政権です。
その意味では構造改革の名に値するものなど何もない。小泉政治をもてはやしたマスコミの罪はとても大きいと思います。

検証 小泉政治

ずっと景気は拡大してきたといわれていました。ここまで急速に悪化すると、「良かった」といわれてきた景気の中身を今一度検証してみる必要があると思うのです。

好調だった企業収益ですが、第一に人件費コストを削減したことが大きい。その反面、非正規雇用の増大が顕著です。つまり正社員を減らして非正規に切り替え、人件費を浮かすことができた。第二に、日本銀行による低金利と金融緩和で、ずうっと円安基調で推移しました。これにより輸出が好調であったわけです。

だから景気回復といっても非常に脆いものでしかなかった。構造改革とさかんに喧伝されましたが、実際は砂上の楼閣のような景気回復だったのです。

中福祉・中負担

麻生総理は消費税引き上げを何がなんでも法制化する決意のようですが、消費税を引き上げる理由がメチャクチャで、「中福祉・中負担」。高福祉・高負担ならわかります。低福祉・低負担も分かります。
でも中福祉・中負担は訳が分からない。何を持って「中」とするのか、基準が全くないからです。
ようするに増税の為にする話。これだから役人任せなのです。

順番が逆

自民党は「自分党」。中選挙区制度の名残でありますが、自分で資金と組織をつくって選挙を戦うからです。当然選挙が自分党なのですから、政治行動も自分党になる。

大臣政務官が補正予算案に反対。そのことが良いとか悪いとかいう前に、順番が逆だなぁと思う。それは辞めてから反対するべきということです。

自分党だから組織の論理は通用しないわけですが、こんなところにも日本の民主主義の未成熟さを見るように思います。

景気の「気」は・・・

気分の気。みんなの気持ちが大切なのです。
国民の７割が効果がないと感じている定額給付金制度。皆が効果がないと思っているから効果はないのです。それにＧＤＰの約０・４パーセントにあたる２兆円を使っているのにＧＤＰの押し上げ効果は０・２パーセント（正確には０・１５パーセント）しかない。やらない方がマシです。
それでも景気対策になるとする麻生総理をはじめとする与党議員。このズレが支持率低迷の原因であることが分からないのでしょうか。

「小選挙区」と「中選挙区」と「政界再編」その２

小選挙区制下では第三局をつくる政界再編などなかなかおこらないわけですが、そのことが一番わかっていないのがマスコミです。
私も新聞・テレビの記者さんの友人は多いし、第一線で活躍されている方は本当に優秀だと思う。ところがマスコミ関係の人の中でも、中選挙区時代の政治取材が中心だった人は、今の政治の構造変化がわからない。だから「政界再編」などという「幻想」を振りまくわけです。
中選挙区時代の政治家に、マスコミ関係者。時代は常に変わっているわけですが、一番古いのがこうした人たちかもしれません。