平成8年、今から10年以上前のことになるが、初めて小選挙区比例代表並立制による衆議院総選挙が行われた。
当時の新進党党首小沢一郎氏は、この衆議院選挙に選挙公約「暮らしを立て直すための「国民との5 つの契約」」を掲げて選挙戦を戦う。これは当時、マニフェストとは呼ばなかったものの、事実上初めてのマニフェスト選挙であった。
中選挙区時代には、候補者個々人の政策や人柄が重視されたが、小選挙区となり政党本位、政策本位の選挙戦と様変わりするようになると、政党としての政策が何よりも求められるようになる。また政権選択の選挙となることから、政党の党首は総理大臣候補であり、首相公選制に近い性格を持つようになった。
その意味で、「暮らしを立て直すための「国民との5 つの契約」」は、新進党党首として小沢一郎氏が国民との間に選挙を通じて政策契約を結ぼうとするもので、画期的な変化であり、選挙制度の変更が政党のあり方、選挙のあり方に劇的な変化をもたらした嚆矢であった。
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