期待されていた菊池凛子さんの助演女優賞は残念でした。
作品賞にはマーティン・スコセッシ監督の「ディパーテッド」。監督賞も受賞。個人的には好きな監督で、初期の作品はロバート・デ・ニーロをよく起用していました。男くさい映画が定番(タクシー・ドライバー、レイジング・ブル、真実の瞬間等々)ですが、今回は香港映画「インファナル・アフェア」のリメイクなのだそうで、ちょっとびっくり。でも無冠の名監督といわれていた人なので、よかったと思います。
映画産業、アカデミー賞はなかなか政治的だなと感じます。自衛隊がイラクに派遣されるときに「ラストサムライ」、イラク戦争終結、こう着状態のときに「キングダム・オブ・ヘヴン」など。今回のアカデミー賞も、アル・ゴア米元副大統領の「不都合な真実」が長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。受賞自体はすばらしいことですが、「受賞したことがハリウッド・アメリカの良心」といったような、単なるカタルシスで終わらないようにしてほしい。真剣に環境問題について考えてもらいたい。資源再生産を上回るペースでの経済成長は不可能なのですから。
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