第二次世界大戦の敗戦の後、日本は奇蹟の復興を成し遂げた。それは明治以来の官僚統制経済・護送船団型行政が、東西冷戦構造という国際的パワーバランスの中で、最大のパフォーマンスを発揮した結果であったと言ってよい。経済的には、世界から安価な原材料を輸入し、大量生産・大量販売のビジネスモデルによって高度成長を遂げた。外交安全保障面においては、日米安全保障条約のもと、政治における外交面での役割は殆ど放棄されてしまってきた。
日本を取り巻く環境は大きく変化した。高度情報化、少子高齢化、経済その他のグローバル化などの進展により、日本の高度成長経済を支えた前提条件は多くが崩壊した。にもかかわらず、政治・行政は、それらに対応する自己変革をなし得ていない。その結果が、内においてはバブル経済とその崩壊・巨額の財政赤字、外においては頻発する局地的緊張への場当たり的な対応である。
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