さて、地方自治体が破綻した場合に、当事者である自治体の関係者が責任を問われるのは当然ですが、その一方で、地方自治体のみにその責任を求めるのは少々酷ではないかとも思います。
それは、「三割自治」といって、財政面では総事業予算の三割しか自治体の権限が及ばないということです。そういう意味では、本当の「自治」にはなっていない訳で、そんな中での今回の財政破綻の責任を住民だけに押し付けるというのは、納得できない人がいても不思議ではありません。
この10年余り、金融システムの安定・不良債権処理の名の下、金融機関には40兆円以上の公的資金が投入されてきました。国の一般会計予算の半分近くの額です。それを思うと、理屈の問題は別にしても何ともやりきれない思いもいたします。
本当の「自治」で破綻したなら「自己責任」でしょうが、中央省庁が箸の上げ下ろしまで注文を付けてきたことを考えると、すべて「自己責任」では片付かないのも事実。事件の表層だけを大騒ぎをして追いかけるのではなくて、今回の夕張市破綻の背景にあるものをしっかりと教訓として考え、検証したいものです。
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