中塚一宏の「いっこうで行こう！」

「時代認識」その２ アメリカ金融危機に思う

アメリカ下院議会は金融安定化法案を否決。ブッシュ大統領の与党である共和党から造反が多く出たとのこと。選挙が近いからなのでしょう。
自由主義経済の行き着く先に何があるのか、誰もわかりません。資本主義は拡大再生産しないと続いていかないという宿命を負っているわけで経済効率が追求されるのはある意味当たりまえです。
しかし経済効率最優先で、はたして本当に「幸せ」になれるのかどうか？それは分からないのです。
いまこそ経済的効率と社会的公正の調和を図るとき。いまそういう時代になっていると思うのです。

財源論その２

自民党は民主党に対して、「財源を示せ」というわけですが、今の制度・仕組みを前提にしていては、財源なんか出ないのが当たり前。今の制度・仕組みのままで財源があるなら、すでに自民党がやっているはずです。

逆に言えば、自民党は、今の制度・仕組みを前提にしているのですから、天下りはそのままだし道路も全部つくるということ。それじゃあ新しいことは何もやりません、新しいことをやる場合には赤字国債を出します、と言っているに等しいわけです。

制度と仕組みを変えれば、財源はあります。仕組みを変えるのは民主党です。

「時代認識」

アメリカ大統領選挙の候補者が、金融危機に関連して、二人ともそろって、利益優先体質の金融機関を批判。金融規制強化の方針を打ち出しました。
１９９１年にソビエト連邦が崩壊。共産主義の敗北・計画経済の破綻が言われましたが、当時私は「ではもう一方の雄であるアメリカは？自由主義経済は？」と思ったものでした。アメリカもソビエトも人造国家という意味では同じだと感じたからです。ソビエト崩壊から２０年経とうとしていますが、自由主義経済の点検も必要なことではないか、昨今の金融危機をみるとそう感じざるを得ません。

財源論

与党も政府も後期高齢者医療制度見直しに言及。しかしどうみなおすのか、どのようにみなおすのか、まったく詳細は分りません。

後期高齢者医療制度の問題点は大きく分けて給付の面と負担の面の二つですが、どちらを見直すにしてもおカネが必要な話。その財源をどこから持ってくるかが最大のポイントです。

いつもは民主党に対して「財源を示せ」と言っている自民党・公明党なのですから、制度の抜本改革につながるような財源の調達は、赤字国債以外にはないはず。財源があるならとっくの昔に見直しているに違いないからです。

私は、道路特定財源・道路特別会計をはじめとする特別会計を含めて予算の組み換えを行い財源を捻出するべきと思うし、実際できると思う。今の仕組みを前提としなければ、財源は十分捻出できるのです。

言葉は考えの形。

中山大臣の「ごね得」発言。人のことを言う前に、自民党の存在こそがごね得だと思う。単一民族発言もそうですが、ちょっとこの程度の認識の方が大臣をしているのかと思うと本当に残念です。
政治家は言葉を選ばなければなりません。自分を表現するのは言葉です。言葉の貧困さは、政治の貧困さそのものです。

潔さか、面当てか、

なかなか特徴の見つけられない麻生内閣ですが、隠れた大特徴がひとつあってそれは小泉カラーの一掃。麻生氏はもともとアンチ小泉の旗頭のような存在でしたが、「ここまでやるか」というぐらいに小泉路線との決別を鮮明にした人事でした。
さてそんなことを考えていたら、小泉元首相引退のニュースが飛び込んできました。私の横須賀在住の支援者から「息子を秘書にして連れて回っているから、次は出ないかもよ」と聞いてはいましたが、ビックリ。総理もつとめ、もうやり残したことはないということなのかもしれませんし、煮ても焼いても食えない小泉氏のことだから見方によっては麻生新総理への面当てのようにも思えます。
いずれにしても選挙は近いということでしょう。

Déjà vu - デジャヴュ

ついおととい「古い自民党」と書いたばかりですが、今日の新閣僚の決まり方や顔ぶれを見ていると、どこかで見たような光景だな、と既視感を覚えました。なにせ国会での首班指名が行われる前から、閣僚の名前がドンドン報道される。また人事は露骨な論功行賞人事。登用された人たちを見ると、総裁選挙がいかに茶番であったか、できレースであったかもよく分かります。

ようするに自民党的な派閥人事であるということ。人事は総理の専権事項ですが、事前に漏れるのは総理以外の人が調整をしているからに他なりません。ほんとうに「古い自民党」にもどったなとつくづく思います。

「唐様で売り家と書く・・・」

もう選挙戦ということなのでしょうが、麻生総裁の口から出るのはお祖父さんの吉田元首相のこととを除けば民主党の悪口のみ。まあ言いたくなる気持ちも分らないではありませんが。

吉田茂氏は私の尊敬する政治家です。戦後日本復興の礎を築いたのは間違いなく吉田元首相。吉田元首相は、国民生活のことを真剣に考え政策選択をされていたはずです。それが麻生総裁から聞こえてこないのは残念。政策論ではないのですから。マンガも結構ですが、他の本はどんなものを読んでいるのかも知りたいところです。

まあ国会が始まればおいおい分ってくるのかもしれません。

「古い自民党」

自民党の新総裁に麻生太郎氏。予想通りというか、圧勝でした。「古い自民党」的な安心感があるからなのでしょう。
記者会見は言葉が多い割には何が言いたいのか良くわかりませんでしたが、一つだけ。
民主党批判のついでに、国際連合と日本の国益が相反する時には、国際連合の決定には従わないかのごとくの発言がありましたが、これはあまりにも不見識と言わざるを得ません。国際連合は憲章において加盟国に「憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない」としているのですから。

来賓祝辞に勇気づけられました。

今日は小沢代表の３選が決まった臨時党大会。来賓の方の祝辞におおいに勇気づけられました。
ジャーナリストの下村満子さんは「政権交代のない民主主義などあり得ない」旨力説、また自民党総裁選挙について「まるでいままで他の党がやってきたごとく候補者が変える変えると連呼しているが、だったらなぜ今までやらなかったのか」と指摘。その通りです。京セラ名誉会長の稲盛和夫さんは「財源のことを世間は言うが、大切なのは想いだ。これをやりたいという想いから財源はうまれる。」とお話しされました。これまたその通り。
結党１０年の民主党、こういう力強い応援を頂けるようになったことはとてもありがたいことです。感謝。