そもそも所得控除という制度は、高額所得者ほど減税率が高くなる制度です。高額所得者ほど超過累進税率構造で税率が高くなるからですが、例えば中堅所得者層では所得税率10パーセントで、38万円の所得控除の場合、減税額は3万8千円ですが、高額所得者で所得税率が高ければ、控除額の38万円にその税率を掛けた額が減税額となるからです。
また単に税率を引き下げても、課税最低限以下つまり税金を支払う必要の無い人にはそもそも恩恵がありません。まずはいったん納税をしてもらった上で、手当を支出すれば、現金の給付になるわけですから、税額控除方式の減税以上の効果があるのです。
日本の税制は、所得控除制度あり、税額控除制度あり(住宅取得促進税制など)、手当の支給ありとたいへんに複雑になってしまっています。税制を簡素化すると同時に、控除を手当に改めることによって、政策目的も明らかになります。
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